武雄は嘘をつき、西施を馬車に乗せて連れ出し范蠡に預ける。事実を知った西施は取り乱し、范蠡は夫差を助けに城内へ向かう。呉越の激しい戦いが展開する中、夫差が琴を弾き続けると、目の前に勾践がやってくる。
夫差は存亡の危機を感じ取り、最後に臣民への施しを行おうと決意する。姫姜は斉に赴き父に援助を請うが、断られて自害するのだった。范蠡は孫武から琴法を究めたと認められ、「清風明月」の曲譜を受け取った。
西施は范蠡と再会し、これ以上犠牲を出さぬようにと勾践の殺害を頼む。拒む范蠡に対し後戻りはできぬと語り、ついに承諾させた。越との戦を控え、すぐさま軍営に戻ろうとする展如を、なぜか引き止めたくなる明月公主だったが、予知夢どおり不安は的中する。
越に駐留している甲児(こうじ)は、妻の楚児(そじ)と息子を呉に帰国させようとする。しかし出発前夜、甲児夫妻は霊姑浮らに襲われ、仲間の3人の兵と共に殺されてしまう。文種の屋敷へ逃げ込み助けられた息子は、范蠡によって呉へ送り届けられる。
地下牢で疇無餘と再会した鄭寅は、自分の父親が名誉の戦死ではなく、奇策に利用されて無残に殺されたという事実を知る。地下牢を探し当てた范蠡は鄭寅の救出には成功するが、牢の仕掛けに阻まれて疇無餘を助けられないまま死なせてしまう。
武芸試合の会場で勾践に斬りかかった刺客は鄭旦であった。そうとは知らず止めに入った鄭寅の剣が姉の胸に突き刺さる。越では霊姑浮が侍衛に返り咲き、勾践の指示で罪なき武士の家族らを拷問にかけていた。ますます非情になる勾践に対し、警戒を強める文種と范蠡。
夫差は譲位の意思を固める。山にこもる鄭旦を捜し出し、西施と3人で暮らす夢を見ていたところに、鄭旦が戻ってきた。だが鄭旦はなおも伍相国の死に責任を感じていた。罪を償うため呉にとっての脅威である勾践の殺害を企む。
勾践が臥薪嘗胆して10年の歳月が流れた。しかし復讐を遂げようとした時、越は大洪水に見舞われてしまう。呉に派遣された文種はまたもや大芝居を打ち、涙ながらに食糧援助を請うが、極秘に練兵を行っていることを展如に指摘されて大臣らの反発に遭う。
勾践は王宮を出て質素な住まいで臥薪嘗胆の生活を始める。さらに范蠡の指示に従い、王后の葬儀を盛大に執り行う。明月公主は勾践に失望し呉の展如のもとへ向かう。鄭寅は山中での軍事訓練のため越女のもとを離れた。
越に帰還し意気揚々と街を練り歩く勾践だったが、民は文種に敬意を示すばかりで王を歓迎する空気はなかった。勾践は憤慨し新調した服を脱ぎ捨てると、范蠡が現れてボロを着て民に尽くすよう忠言する。王后は閉じ込められた疇無餘を発見し、明月公主に知らせに行く。
夫差の怒りを買った伍子胥は剣を渡されて自害を迫られる。英雄とも称された呉の忠臣は無念のうちに世を去った。盛大な葬儀が執り行われたが、伍子胥に抱いた疑念はすべて誤解だと気づいた。西施の助言もあり夫差は姫姜との仲を修復する。
越に帰還した勾践が公主府を訪れた。范蠡が暗躍していることを展如に言い当てられたことで、勾践はうろたえて早く范蠡に再会したいと文種に訴える。西施たちのもとに夫差凱旋の報が入るが、姑蘇台に来たのは夫差ではなく伯ヒだった。
夫差は魯軍と組んで斉を挟み撃ちにする計画だったが、魯軍はあっさりと斉軍にやられてしまう。一方、呉に取り残されていたはずの伍子胥は密かに軍を率いて斉の都に攻め入る。斉軍は戦場から撤退し、夫差を勝利に導いた伍子胥の作戦は評価される。
天下一の宮殿と称される姑蘇台がついに完成し、各国から使節が招かれて華々しく壮麗な宮殿が披露された。祝いの宴に姿を見せぬ伍子胥に不快感をあらわにする夫差だったが、盟約を申し出る魯の使者に顔をほころばせる。
伍子胥はかつて共に闔閭に仕えた孫武と再会する。さっそく碁盤を囲むが、孫武が用意していたのは20年前に勝負がつかずに終わった対局の続きだった。ついに姑蘇台(こそだい)が落成する。
山中で夫差と抱擁する西施を目の当たりにした范蠡は、理性を失い木から落ち、夫差と剣を交える。闔閭の墓守をしていた勾践が、突然伍子胥に捕らえられた。救いに来た鄭寅の忠誠心に感服し、伍子胥は鄭旦と再会させた上で放免する。
伍子胥より勾践暗殺の命令を受けた展如は、范蠡と鄭寅に阻まれ、暗殺が失敗に終わる。伯ヒは伍子胥の足を引っ張る好機と捉え、陛下の知らぬところで暗殺が密かに計画されていたことを夫人を通じて夫差に報告する。
新宮殿建設が頓挫し、苦悩する伯?のもとを訪れた文種は、越の最高級の木材と名工の無償提供を申し出て伯ヒを喜ばせる。行宮に駆けつける伯ヒに気づいた武雄は、伍子胥へ報告しようと相国府へ向かう。
呉を内側から崩そうと目論んだ范蠡だが、知らぬ間に良心を失っていた己に気づく。呉では西施と鄭旦を披露する宴が催されていた。明月はその場に乗り込み、ようやく夫差の目を向けさせることに成功し、夫差と西施と鄭旦の間に築かれた均衡が崩れるきっかけを作る。
夫差と面会した勾践は、罪を認めることの証しとして夫差の便を食べた。そんな勾践に失望した鄭旦は、夫差殺害計画を口にしてしまう。衝撃を受けた夫差は、幼少のころ好きだった左姫(さき)が真摯に訓練を受けず孫武に斬首されたことを西施に話し…