華山の頂で繰り広げられる洪七公(こう・しちこう)と郭靖(かく・せい)の奥義の応酬――その手合わせは、ついに300手目を数えた。「靖さんが天下一よ」という黄蓉(こう・よう)の喜びに満ちた声が響き渡ったその時、「天下一はこの私だ」という声が。現れたのは欧陽鋒(おうよう・ほう)である。 […]
チンギスハーンに罰せられることもいとわず、トゥルイとジェベは自分を逃がしてくれた。コジンも己の行いを心から詫び、体をいたわるようにと見送ってくれた。しかし、郭靖(かく・せい)の心は沈んでいた。必死で武芸を学んだのに、大事な人たちを守れなかったという無力感に打ちひしがれていたのだ。 […]
郭靖(かく・せい)はコジンとの婚約解消をチンギスハーンに願い出なかった。それを聞いた黄蓉(こう・よう)は落胆し、「やっぱり大ハーンの婿殿がいいのね」と言い残すと、陣を出て行ってしまった。すぐさま馬で追いかけた郭靖は、砂漠に残る奇妙な足跡を目にする。しばらくすると、助けを求める声が […]
ボルジュが戦死した。刺さっていた矢には“大金 趙(ちょう)王”の銘が――ホラズム国に身を投じた完顔洪烈(ワンヤン・こうれつ)である。季節は冬、要害堅固な城に立てこもる十数万の兵が相手では、苦戦は必至だ。黄蓉(こう・よう)がいてくれれば妙策を考えてくれるはずなのにと、ほぞを噛む思い […]
霊智(れいち)上人らの身柄を全真教の道士たちに委ねた郭靖(かく・せい)は、欧陽鋒(おうよう・ほう)に連れ去られた黄蓉(こう・よう)の行方を捜し続けた。しかし、丐幇の仲間たちの協力を得てもなお、彼女の姿はおろか、手がかりを見つけることもできずにいた。加えて、武穆遺書に目を通してみて […]
欧陽鋒(おうよう・ほう)たちの前に姿を見せた黄蓉(こう・よう)は、全真派の道士たちにつけ狙われて困っている父から、欧陽鋒に助太刀を頼んでこいと命じられたと告げた。しかし、彼女は一行の中に曲霊風(きょく・れいふう)の娘が混じっているのに気づき、郭靖(かく・せい)の5人の師匠が殺され […]
欧陽鋒(おうよう・ほう)が現れたことで全真派の道士たちは色めき立ち、酔仙楼には再び不穏な空気が流れ始める。そこに割って入った洪七公(こう・しちこう)は、腕比べをするのは明日8月15日のはずだと諭し、一触即発の危機を回避するのだった。その夜、たき火を囲んで話す、黄薬師(こう・やくし […]
7人の道士たちを相手に、黄薬師(こう・やくし)は鬼神の如き戦いぶりを見せていた。傷ついた尹志平(いん・しへい)に代わって、相手を買って出たのは柯鎮悪(か・ちんあく)である。すかさず加勢する道士たち。師匠の危機だと見てとった郭靖は、酔仙楼を飛び出し戦いの輪の中へ。さしもの黄薬師も身 […]
「夜が明けたら、あなたは姫と蒙古へ。私たち、二度と会えなくなる」。この歌が自分の最後の思い出として、郭靖(かく・せい)の心に残るように――そんな思いを込めて、黄蓉(こう・よう)は歌う。涙にくれた2人は、言葉もなく抱きしめ合うのだった。明くる日、臨安へと旅立とうとする郭靖のもとに、 […]
全真七子が譚処端(たん・しょたん)の仇である黄薬師(こう・やくし)を討ちに行くつもりだと知った柯鎮悪(か・ちんあく)たちは、桃花島へ行き仲裁するのだという。真の下手人が欧陽鋒(おう・ようほう)だと知っている郭靖(かく・せい)としては、成り行きが気になるものの、コジンと落ち合うとい […]
“悪しき者が本書を得れば、必ずや至高の武芸で世に害をなすであろう。万一を防ぐため梵語を中文に音訳した”。九陰真経の謎は解けた。そのおかげで、失われた自分の武芸も、洪七公(こう・しちこう)の内功も取り戻すことができるはずだと、一灯(いっとう)大師は請け合うのだった。急いで洪七公に九 […]
今をさかのぼること20年前、“王真人”こと王重陽(おう・ちょうよう)は弟弟子である周伯通(しゅう・はくつう)を連れて、大理国を訪ねた。一灯(いっとう)大師――段智興(だん・ちこう)と武芸の腕を磨き合うためである。一方、日が経つにつれて退屈し始めた周伯通は、皇宮で遊ぶようになってい […]
桃源に着いてから開けるようにと、瑛姑(えいこ)から手渡された3つの袋。2つ目の赤い袋には、「“娘を治せるのは段(だん)皇帝のみ」「治療を請う者は漁(ぎょ)・樵(しょう)・耕(こう)・読(どく)に阻まれる”」と書かれた紙が入っていた。その謎めいた言葉が示す通り、郭靖(かく・せい)と […]
鉄掌山の五指峰を逃げ惑ううち、郭靖(かく・せい)と黄蓉(こう・よう)は、鉄掌幇の聖地へと足を踏み入れていた。怪しげな仕掛け扉を前に、どうすれば開くのかと思案する黄蓉。すると扉はひとりでに開き、中からは重そうな包みを背負った裘千仞(きゅう・せんじん)が現れた。だが、2人を追っている […]
穆念慈(ぼく・ねんじ)が語る高辛(こうしん)と辛女(しんじょ)の伝説。そこには一刻も早く祝言を挙げたいという彼女の本心が隠されていた。それを感じ取った楊康は、完顔洪烈(ワンヤン・こうれつ)に直談判。すると完顔洪烈は、拍子抜けするほどあっさり承諾するのだった。実のところ、完顔洪烈は […]
丐幇の新幇主として、「南方へ移動せよ」と命じた楊康(よう・こう)。それに強く反対した黎生(れい・せい)と余兆興(よ・ちょうこう)は、後事を魯有脚(ろ・ゆうきゃく)に託すと、自らの喉笛を掻き切って果てた。命懸けの抗議にどよめく丐幇の一団。2人の遺志を継いで楊康に意見する魯有脚に挑み […]
郭靖(かく・せい)から奪った武穆遺書の在り処を示す書画を手に、完顔洪烈(ワンヤン・こうれつ)たちのもとへと戻った楊康(よう・こう)。彼は、欧陽鋒(おうよう・ほう)にも“貢ぎ物”を準備していた。それは郭靖と黄蓉(こう・よう)――2人の身柄を手土産に再び弟子入りを願い出た楊康は、つい […]
裘千仞(きゅう・せんじん)の罠にはまったコジン、トゥルイ、ジェベを救った郭靖(かく・せい)。しかし、一件落着とはならなかった。郭靖の“許婚”であるコジンが目の前にいるのだから、黄薬師(こう・やくし)は面白いはずがない。言い争うトゥルイと黄薬師、自分をかばうコジンの声、そして「情を […]
曲三酒館に佇む3人――点穴を施されて身動きすることのできない穆念慈(ぼく・ねんじ)と程瑤迦(てい・ようか)、陸冠英(りく・かんえい)の間を、欧陽克(おうよう・こく)が足を引きずりながら歩き回っていた。穆念慈に触れ、不埒な言葉をささやく欧陽克。そこへ、楊康(よう・こう)が。欧陽克は […]
黄薬師(こう・やくし)を討とうと待ち受ける全真七子。禍々しい風が、荒れ果てた曲三酒館を吹き抜ける――しかし、彼らの前に姿を現したのは、意外や梅超風(ばい・ちょうふう)だった。師匠を待ち伏せしていたと聞かされては、梅超風も黙ってはいられない。単身で挑む梅超風に、道士たちは天コウ北斗 […]
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