裘千仞(きゅう・せんじん)こそ、瑛姑(えいこ)の子を殺した下手人だった。悪びれる素振りも見せない裘千仞に挑みかかった洪七公(こう・しちこう)は、その悪行を咎め、悔い改めるよう諭す。前非を悔いた裘千仞は、一灯(いっとう)大師からの勧めもあり、仏道に生きることを決心するのだった。郭靖 […]
「どんな処罰を受けても仕方ありません」――大ハーンの前に引き立てられた郭靖(かく・せい)は、そう答えた。金国を滅ぼした後で読むようにとの命令に背き、機密書類を盗み見たことに弁解の余地はない。だが、そこには"臨安を攻めよ"との文字があった。大ハーンから受けた恩に […]
「金にも我々にも、もはや未来はない」。そう言うと楊康(よう・こう)は、完顔洪烈(わんやん・こうれつ)に深々と刀を突き立てた。驚愕の表情を浮かべる完顔洪烈。幾つもの愛憎の渦を乗り越えて親子の情を繋いだと信じていた楊康が、「両親の仇を討つ」と自らに刃を向けたのだ。自らの最期を悟った完 […]
魯有脚(ろ・ゆうきゃく)に授けられた策で、郭靖(かく・せい)の部隊は勝利を収めた。しかし、郭靖とトゥルイは、魯有脚の背後に"影の軍師"がいるのではないかという疑いを強める。その一方で、戦況は相変わらず蒙古の劣勢が続いていた。サマルカンド城のすぐ西側には険しい岩 […]
黄蓉(こう・よう)を捜し回る郭靖(かく・せい)だったが、その行方は杳として知れない。噂を頼りに帰雲荘を訪ねてみるが、建物は無残にも焼け落ち人の気配もなかった。そんななか郭靖は蒙古兵に遭遇。彼らと合流し、トゥルイとの再会を果たす。大ハーンからの命令で帰還するトゥルイに同行した郭靖は […]
欧陽鋒(おうよう・ほう)と楊康(よう・こう)、曲霊風(きょく・れいふう)の娘が鉄槍廟に現れた。その気配を察し、身を潜める黄蓉(こう・よう)と柯鎮悪(か・ちんあく)。様子をうかがっていると、「牛家村に帰りたい」と言い募る曲の娘を、欧陽鋒が手にかけてしまいそうだ。たまらずに飛び出した […]
桃花島に横たわる5人の侠客たち。かつて江湖にその名を轟かせた江南七怪も、いまや柯鎮悪(か・ちんあく)を残すのみとなった。師匠たちの亡骸を見つめるうちに、郭靖(かく・せい)は韓小瑩(かん・しょうえい)が"九陰白骨爪"で殺されていることに気付く。梅超風(ばい・ちょ […]
欧陽克(おうよう・こく)は死んだ。晴れて欧陽鋒(おうよう・ほう)に弟子入りした楊康(よう・こう)は、白駝山の武芸を継承し得る唯一の人物となったのだ。一方、天下一の武芸者の座を狙う欧陽鋒は、最大の敵を東邪・黄薬師(こう・やくし)だと考えていた。それを聞いた楊康は、全真七子と黄薬師と […]
「九陰真経」をなくしてしまったと語る欧陽克(おうよう・こく)。落胆した欧陽鋒(おうよう・ほう)は、からかうような口ぶりの欧陽克に殺意を募らせる。だが、全てが嘘だったと知ると手のひらを返したような態度に。今や彼の心を占めているのは、この奥義書ひとつだった。一方、「武穆遺書」を手に入 […]
一灯(いっとう)大師は過去の因縁について語り始めた。華山論剣の翌年、周伯通(しゅう・はくつう)をお供に連れた王重陽(おう・ちょうよう)が大理国へ。一灯大師――段智興(だん・ちこう)皇帝と王重陽は互いの武芸を磨き合い、2人の滞在は半月に及んだ。一方、すっかり退屈していた周伯通は、宮 […]
完顔洪烈(わんやん・こうれつ)の手下となっていた侠客たちは、金の滅亡が近いことを悟ると、おべっかを使う必要もなくなったとばかりに楊康(よう・こう)を軽んじ始めた。これまで腕比べの度に手加減してもらっていた楊康には、彼らを懲らしめることもできない。裘千仞(きゅう・せんじん)から武芸 […]
裘千仞(きゅう・せんじん)は、双子の兄・裘千丈(きゅう・せんじょう)を使って「武穆遺書」を入手しようと企んでいた。しかし、当の裘千丈は尻込みする。「武穆遺書」が隠されている鉄掌山中指峰は歴代の鉄掌党首の眠る地。足を踏み入れた者は生きては帰れないという掟があったのだ。裘千仞と楊康( […]
趙王・完顔洪烈(わんやん・こうれつ)の使者として現れた裘千仞(きゅう・せんじん)は、丐幇に北の地を離れて南方に移るよう促した。新幇主を名乗る楊康(よう・こう)と彭(ほう)・簡(かん)・梁(りょう)の三長老がこの提案を受け入れるなか、魯有脚(ろ・ゆうきゃく)だけが歴代幇主の遺訓を守 […]
雨に降られて一夜の宿を借りた郭靖(かく・せい)と黄蓉(こう・よう)。そこで郭靖はあることに気づく。曲霊風(きょく・れいふう)が秘蔵していた絵が雨に濡れ、何やら文字が浮かび上がってきたのだ。うっすらと読み取れるのは"穆"や"遺書"、それに&q […]
白ワシに導かれて郭靖(かく・せい)たちが辿り着いた林の中には、傷ついたコジンの姿があった。目の前の蒙古の娘が郭靖の許嫁だと知り、顔色を変える黄薬師(こう・やくし)。一番大切なのは黄蓉(こう・よう)、妹のようなコジンを結婚相手としては考えられないと語る郭靖だったが、約束してしまった […]
「天?北斗陣を敷け」――丘処機(きゅう・しょき)の言葉に押し切られるようにして、馬鈺(ば・ぎょく)は梅超風(ばい・ちょうふう)と一戦交えることに。曲(きょく)家の隠し部屋から熾烈な攻防を繰り広げる彼らの様子を伺っていた郭靖(かく・せい)は、九陰真経と全真七子の技が密接につながって […]
殺気をみなぎらせて完顔洪烈(わんやん・こうれつ)の背後に迫る楊康(よう・こう)。その様子を眺めていた欧陽克(おうよう・こく)は、何気ない風を装って完顔洪烈に声をかける。あと一歩というところで完顔洪烈は振り返り、楊康はとっさに暗殺を思い留まるのだった。そんな思惑を知る由もない完顔洪 […]
郭靖(かく・せい)、黄蓉(こう・よう)、洪七公(こう・しちこう)、周伯通(しゅう・はくつう)の4人は皇宮に忍び込んだ。狙いは、皇帝だけが口にできる料理"鴛鴦五珍膾"。皇帝が作れと命じるまで待つ覚悟を決めた洪七公は、郭靖と黄蓉に皇宮の庭を散歩してこいと告げるのだ […]
初めて訪れた寒村の風景に、郭靖(かく・せい)は何か懐かしいものを感じた。そんな気持ちに背中を押されるようにして歩くうち、思いがけなく穆念慈(ぼく・ねんじ)と出会った彼は、この村が牛家村であることに気づく。夢にまで見た我が家に足を踏み入れ、父の得物である戟を見つけた郭靖は、両親への […]
黄蓉(こう・よう)の策略により、欧陽克(おうよう・こく)は大岩の下敷きに。助ける術のない欧陽鋒(おうよう・ほう)は、その傍らに寄り添うほかなかった。悲しみと苦悩の中で、欧陽鋒は自身が欧陽克の実の父であることを告白するのだった。一方、お人よしの郭靖(かく・せい)は、かつて何度も苦渋 […]