「師匠のためなら何でもします」。黄蓉(こう・よう)がこう答えると、洪七公(こう・しちこう)は胸に手を置き、虚空に向かって告げた――「わが命の終わりを悟った今、幇主の座を弟子に譲ります」。第19代 丐幇幇主となった黄蓉に、早速"打狗棒法"を伝授する洪七公。それは […]
欧陽鋒(おうよう・ほう)と欧陽克(おうよう・こく)は、船に積み込んだ油と硫黄に火をつけて郭靖(かく・せい)と洪七公(こう・しちこう)を黒焦げにしてやろうと目論んでいた。偶然にも2人が密談する声を耳にした洪七公は、居眠りをしていた郭靖を起こし欧陽鋒の船を離れるのだった。欧陽克が気づ […]
「九陰真経」を探し出して燃やすこと、黄蓉(こう・よう)に良い夫を見つけてやること――黄薬師(こう・やくし)が亡き妻と交わした2つの約束は、後のひとつだけが果たされた。黄蓉の婿選びに決着がつき、穏やかに語り合う達人たち。その最中、郭靖(かく・せい)が周伯通(しゅう・はくつう)からも […]
「結婚など実につまらん」とのたまう周伯通(しゅう・はくつう)に、黄蓉(こう・よう)は「奥さんがいるの?」と尋ねた。何も話そうとしない周伯通だったが、柄にもなくしんみりした様子で何やら歌を口ずさむ。そんな周伯通のことも気になるが、郭靖(かく・せい)と黄蓉にとっては、明日の婿選びの方 […]
「お嬢さんと結婚させてください」。黄薬師(こう・やくし)は、郭靖(かく・せい)の申し出に反対はしなかったものの、その非礼を穏やかに諭し、まずは師匠を通じて申し込むべきだと告げた。黄薬師の言葉を額面通りに受け取り、島を離れようとする郭靖。だが黄薬師には、郭靖と黄蓉(こう・よう)を結 […]
周伯通(しゅう・はくつう)の話は続く。王重陽(おう・ちょうよう)の通夜の晩、ひとりで棺に付き添っていた周伯通の前に欧陽鋒(おうよう・ほう)が。周伯通は師兄の亡骸と「九陰真経」を守ろうと立ち向かうが、歯が立ちそうにない。すると、驚くべきことが。王重陽がしっかりと目を見開いて立ち上が […]
白駝山に轟く西毒・欧陽鋒(おう・ようほう)の雄叫び――欧陽克(おうよう・こく)は、新しい蝦蟇功が完成したことを悟った。祝いの言葉を述べる欧陽克だったが、欧陽鋒は既にこの世を去った王重陽(おう・ちょうよう)を自らの手で倒すことができなかったと悔しがるのだった。一方、郭靖(かく・せい […]
郭靖(かく・せい)と黄蓉(こう・よう)は完顔洪烈(わんやん・こうれつ)の寝込みを襲うが、寝台に彼の姿は無かった。襲撃を予想した楊康(よう・こう)が、欧陽克(おうよう・こく)にも知らせることなく完顔洪烈を脱出させていたのだ。半信半疑で楊康に従っていた完顔洪烈だったが、刺客が宿を襲っ […]
酒楼で楊康(よう・こう)に近づいてきた男は段天徳(だん・てんとく)――郭靖(かく・せい)の父・郭嘯天(かく・しょうてん)を死に追いやった仇であった。彼は卑屈な態度で楊康に取り入ろうと媚を売ったかと思えば、楊鉄心(よう・てっしん)の息子である楊康が金国の王族として何不自由なく生きる […]
黄蓉(こう・よう)は、一門に戻れるよう黄薬師(こう・やくし)に取り成すことを条件に、陸乗風(りく・じょうふう)と梅超風(ばい・ちょうふう)が互いに抱く恨みを水に流すよう説得する。2人はそれを受け入れるが、夫の仇である郭靖(かく・せい)を討つのだという梅超風の決心は揺るがなかった。 […]
太湖で出会った風流な男と意気投合した郭靖(かく・せい)と黄蓉(こう・よう)。2人は陸(りく)と名乗った男に招かれるまま、帰雲荘に逗留することに。桃花島と帰雲荘の作りが似ていることに気づいた黄蓉は、陸荘主の正体は何者なのかと考えを巡らせるのだった。そんななか、金国の特使として派遣さ […]
蒙古への帰順を迫る使者・トゥルイが金国にやってきた。強硬な姿勢を崩さない完顔洪煕(わんやん・こうき)と、使者を丁重にもてなすべきだと主張する完顔洪烈(わんやん・こうれつ)は対立。結局、皇帝は強硬策を採り、一切を完顔洪煕に託すのだった。衛兵を呼び、蒙古の使者を捕らえようとする完顔洪 […]
「恥知らずにも程があるわ」――穆念慈(ぼく・ねんじ)は楊康(よう・こう)をなじった。その日の昼、街中で武芸を披露していた2人は集まった役人に取り囲まれてしまった。楊康はその窮地を切り抜ける手段として、金国の王族である玉の令牌を示す。身を守るためとはいえ、仇の令牌で同じ漢人を追い払 […]
地下牢に捕らわれていた穆念慈(ぼく・ねんじ)を力ずくで救い出した楊康(よう・こう)。趙王府の門を出た2人の前に、完顔洪煕(わんやん・こうき)と弓を構えた兵たちが立ちはだかる。彼は自分を狙った暗殺者が楊康だと信じ、報復にやって来たのだ。危機に瀕した楊康たちに思いがけない助太刀が―― […]
梁子翁(りょう・しおう)からの報告に、欧陽克(おうよう・こく)は顔色を変えた。郭靖(かく・せい)と黄蓉(こう・よう)、そして洪七公(こう・しちこう)が近くに滞在しているのだという。江湖の一大勢力である丐幇に、楊康(よう・こう)と穆念慈(ぼく・ねんじ)の捜索を妨害されるようなことに […]
「料理を賭けて私たちと遊びませんか?」――黄蓉(こう・よう)は樹上の老人に向かって声をかけた。枝に寝そべり瓢箪をぶら下げたこの人物こそ、"北丐"こと洪七公(こう・しちこう)である。料理の名前を当てられたら食べることができるという賭けに、美味しいものに目が無い洪 […]
2人で酒を酌み交わす郭靖(かく・せい)と楊康(よう・こう)。その日、楊康は遂に郭靖を「兄さん」と呼んだ。ようやく心を通わせ合った"兄弟"は、初めて屈託のない笑顔を交わすのだった。明くる日、父の仇・段天徳(だん・てんとく)を追う郭靖は、黄蓉(こう・よう)を伴い中 […]
両親の仇を討とうと完顔洪烈(わんやん・こうれつ)を追撃した楊康(よう・こう)だったが、欧陽克(おうよう・こく)の毒掌を受け、深手を負ってしまう。死をも覚悟した楊康は、ついに穆念慈(ぼく・ねんじ)への偽らざる心を伝えるのだった。同じ頃、郭靖(かく・せい)と黄蓉(こう・よう)は、梁子 […]
楊康(よう・こう)に楊家槍法を授ける楊鉄心(よう・てっしん)。2人が親子として心を通わせ始めた一方で、楊鉄心と包惜弱(ほう・せきじゃく)もまた本心をぶつけ合い、互いに抱いていたわだかまりを解いていく。その夜、郭靖(かく・せい)は郭嘯天(かく・しょうてん)の得物だったという戟を楊鉄 […]
郭靖(かく・せい)は、酒楼に入り浸る楊康(よう・こう)をたしなめる。しかし、楊康はまともに聞こうともせずに辛辣な言葉を郭靖にぶつけ、我が身の不幸を呪うばかりだった。騒々しい彼らに客たちが眉をひそめるなか、2人の様子をじっとうかがっている男がいた。「完顔康(わんやん・こう)殿かな? […]
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