楊鉄心(よう・てっしん)と包惜弱(ほう・せきじゃく)、そして楊康(よう・こう)――家族がようやく顔を揃えたというのに、3人の間にはぎくしゃくとした空気が流れ、それぞれの苦悩は深まっていく。彼らが過ごした18年という歳月が、容易に乗り越えがたい溝を刻んでいたのだ。郭靖(かく・せい) […]
目の前には梅超風(ばい・ちょうふう)に動きを封じられた郭靖(かく・せい)、背後には欧陽克(おうよう・こく)と4人の侠客たち――絶体絶命の窮地に陥った黄蓉(こう・よう)だったが、彼女の投げかけた言葉が、復讐鬼と化した梅超風の手を止めさせた。黄蓉こそ、梅超風とその夫・陳玄風(ちん・げ […]
楊鉄心(よう・てっしん)と対峙した完顔洪烈(わんやん・こうれつ)は、「わが王妃の名は包惜弱(ほう・せきじゃく)だ」と言い放つ。18年前、身に覚えのない謀反の濡れ衣を着せられた郭嘯天(かく・しょうてん)が死に追いやられたことも、妻と生き別れになったことも、すべては包惜弱に横恋慕した […]
完顔洪烈(わんやん・こうれつ)を前に、趙王府を賑わせた侵入者の正体について冷静に分析してみせる欧陽克(おうよう・こく)。彼は、穆易(ぼく・えき)と名乗った男が、実は楊鉄心(よう・てっしん)ではないかとほのめかすのだった。そんななか、郭靖(かく・せい)たちは街で、金の皇族の行列に出 […]
穆念慈(ぼく・ねんじ)を趙王府へと招待する手紙が届いた。差出人は完顔康(わんやん・こう)。穆念慈は迎えに来た輿には乗らず、歩いて趙王府へと向かうのだった。同じ頃、郭靖(かく・せい)と黄蓉(こう・よう)も趙王府に忍び込んでいた。完顔康と霊智上人(れいちしょうにん)が買い占めた薬をこ […]
「私は本当に父上の子ですか?」――完顔康(わんやん・こう)の問いかけに母・包惜弱(ほう・せきじゃく)は口を濁し、はっきりとした答えを聞くことはできなかった。気晴らしに街へと出た完顔康は、人だかりのできた一角に目を向ける。掲げられたのぼり旗には"比武招親"の文字 […]
郭靖(かく・せい)は師匠たちの荷物を、汚い身なりの少年に盗まれてしまう。追いかけはしたものの、この少年も盗みを働くほど困っているのだと思うと同情する気持ちが湧いてくる。郭靖は少年に誘われるまま一緒に飯屋へ行くことに。連れてこられたのは街で一番の高級店。意外なことに少年は食通らしく […]
武芸の覚えがすこぶる悪い郭靖(かく・せい)に、ようやく上達の兆しが。やっと苦労が報われたかと喜ぶ江南六怪だったが、思わぬ影が差す。彼らの知らぬ間に、郭靖が並々ならぬ内功を身につけていたのだ。師匠たちに脅しつけられて、要領の得ない説明をする郭靖。内功を教えてくれる相手の名前は知らず […]
弓の名手・ジェベの弟子だけあって、郭靖(かく・せい)の弓の腕前は大ハーンをも驚かせるほどのものだったが、武芸の方はさっぱり。10年来の師匠である柯鎮悪(か・ちんあく)たちも、蒙古の土地へやって来てから費やした年月を考えると落胆せざるを得ない。その間に彼らは、かけがえのない仲間であ […]
時は南宋の中期、冬。討ち取ったばかりの奸賊・王道乾(おう・どうけん)の首級を携えた全真教の道士・丘処機(きゅう・しょき)は、都にほど近い牛家村へとさしかかった。彼は声をかけてきたふたりの男と争いになるが、やがて誤解は解けて意気投合。男たちは報国の志に燃える義兄弟で、郭嘯天(かく・ […]
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