周再興という大望を実現させることは、罪なき民に犠牲を強いる――于彦(う・げん)の言葉は、張丹楓(ちょう・たんほう)の信念を揺るがすものだった。戸惑う胸の内を雲蕾(うん・らい)に明かした張丹楓は、周再興を諦めて天下の平和のために尽くすこと、ホウ照天(ほう・しょうてん)を成敗すること […]
石英(せき・えい)たちと無事に再会を果たした張丹楓(ちょう・たんほう)。ほっとしたのも束の間、澹台鏡明(たんだい・きょうめい)と周山民(しゅう・さんみん)が錦衣衛に捕らわれたとの知らせが届く。2人の救出に向かうおうと思い立つ張丹楓だったが、石英は周再興という大任を果たすことを優先 […]
刺客を追って姿を消した張丹楓(ちょう・たんほう)と謝天華(しゃ・てんか)の身を案じるアラ親王。そんななか、親王一行が滞在する雲陽駅にトプハがやってきた。驚くアラ親王への挨拶もそこそこに、トプハはオイラトを飛び出してからの苦労話の数々を矢継ぎ早に語って聞かせるのだった。一方、張丹楓 […]
火氷丸の毒の発作に苦しむ張丹楓(ちょう・たんほう)。しかし、幸運にも雲蕾(うん・らい)が「毒経」を見つけたことで解毒法が判明する。雲蕾は薬を煎じてやり、そのおかげで張丹楓は一命を取り留めることができた。命拾いはしたものの、いつまでもこの宝物庫の中に閉じこもっている訳にもいかない。 […]
黒石荘周辺には、武装した侠客たちが群れをなしていた。妹の雲蕾(うん・らい)と再会を果たした雲重(うん・じゅう)は、その訳が周山民(しゅう・さんみん)の発した"緑林箭の号令"であることを知る。雲家の仇討ちに協力すると語る周山民だったが、雲蕾は関係のない侠客までを […]
東厰の長・ホウ照天(ほう・しょうてん)が、張丹楓(ちょう・たんほう)を生け捕りにしろと、江湖の侠客たちに指令を下した。張丹楓は今や、朝廷からも追われる身となってしまったのだ。それを知った謝天華(しゃ・てんか)は、これまで以上に細心の注意を払って行動するよう、張丹楓に忠告するのだっ […]
世話になった遊牧民たちに別れを告げる雲蕾(うん・らい)。ふと振り返れば、張丹楓(ちょう・たんほう)はすでに馬を駆って遠ざかっていくところだ。何度も危ないところを救われ、摩訶(まか)兄弟のもとから兄の雲重(うん・じゅう)さえも助け出したという張丹楓――憎むべき仇である彼の後ろ姿を眺 […]
張宗周(ちょう・そうしゅう)が語った、張家と雲(うん)家の因縁――若き日の過ちを悔いてきた彼は、息子・丹楓(たんほう)に「私と同じ失敗を繰り返してはならぬ」と告げ、自らの命を狙った雲重(うん・じゅう)を釈放するよう指示する。張丹楓が牢の前までやってくると、そこには謝天華(しゃ・て […]
ある雪の夜、霊堂に詣でる父子の姿があった。2人が見つめるのは張士誠(ちょう・しせい)の霊位である。―元朝末期、中原を平定した張士誠は江南の地を巡って、師弟である朱元璋(しゅ・げんしょう)と熾烈な攻防を繰り広げていた。そんななか、朱元璋から和議の申し入れが。張士誠はこれに応じるが、 […]