諾蘭(だくらん)は生きており、しかも誰かと組んで黄金を横領した――木坤(ぼく・こん)の言葉に木隆(ぼく・りゅう)は、わずかばかりの動揺を見せた。この"誰か"とは紛れもなく彼自身のことなのだ。自分が解決するから誰にも言うなと口止めし坤を下がらせると、急ぎ屋敷の門 […]
郭彩綾(かく・さいりょう)が西閣楼に駆けつけると、やはり寇英傑(こう・えいけつ)の姿はなく、寝台に手紙が残されているだけだった。そこに書きつけられていたのは郭彩綾への悪口ばかり。一読、怒り心頭に発した彼女は、絶対に寇英傑を捕まえてやると気勢を上げる。だが、この手紙は司空遠(し・く […]
木増(ぼく・ぞう)の命を救った阿勒邱(あろくきゅう)はその褒美として、掟を破ったために罰を受けている木坤(ぼく・こん)の解放を訴えた。その無欲さと思いやりの心に感心した羅寧(ら・ねい)は、死んだ諾蘭(だくらん)が行っていた金鉱の管理を彼女に任せることを決める。そんななか、木青(ぼ […]
夜の白馬山荘――その庭で、郭彩綾(かく・さいりょう)は月光を浴びて抱きあう男女の姿を見る。2人は寇英傑(こう・えいけつ)と鉄小薇(てつ・しょうび)だった。とっさに身を隠す郭彩綾。鉄小薇によれば、風雷堡の猛者たちが今まさに白馬山荘に攻め寄せつつあるのだという。そして、寇英傑が宇内十 […]
松明祭りの最中、突然、黒衣の男たちが刀を振り上げ木増(ぼく・ぞう)に向かってきた。反射的に彼の前に立ちはだかる阿勒邱(あろくきゅう)。たちまち辺りは騒然となった。異変に気付いた高玉龍(こう・ぎょくりゅう)らが駆けつけようとするも、逃げ惑う群衆に行く手を塞がれ思うように動けない。そ […]
寇英傑(こう・えいけつ)は白馬山荘を去ることを考え始める。オ大野(お・たいや)から向けられる敵意に、彼は命の危険さえ感じていたのだ。その一方で、郭白雲(かく・はくうん)が築き上げた白馬門の行く末を憂う気持ちもあった。迷いの中、寇英傑は師の亡骸が安置されている霊堂で一夜を過ごし、明 […]
南斉の時代へと向かう直前、鮑仁(ほう・じん)は観音大士の声を聞いた――「小青(しょうせい)の前世は南斉・銭塘郡の銭青青(せん・せいせい)だ」。時空を超えて姿を消した仇敵・鮑仁を、なおも追おうとする大龍女(だいりゅうじょ)。そんな彼女に対して、観音大士は龍潭での修行を命じるが、最後 […]
朱佩瑤(しゅ・はいよう)の父に成りすました馬元賜(ば・げんし)。息子の寇英傑(こう・えいけつ)を人質に取ったと言い聞かされている彼には、神算子(しんさんし)の筋書き通り父親役を演じるより外に手はなかった。朱佩瑤は生き別れになっていた父との再会だと信じて疑わず、涙を流す。目論見が図 […]
鮑仁(ほう・じん)ばかりか、厳忠書(げん・ちゅうしょ)までもが投獄された。銭青青(せん・せいせい)と尹双双(いん・そうそう)は、捕らえられた2人を自分たちの力で助け出すことに。銭青青は鮑仁を救うために必要な浄瓶を尹双双から託された。彼女の言葉に従って屋敷に戻った銭青青は、小青(し […]
馬の目利きとして知られる周江(しゅう・こう)は、寇英傑(こう・えいけつ)の馬が黒水仙(こくすいせん)ではないかと目を付けた。彼は「馬を欲しがっている人がいる」と切り出し、高額な買い値を提示して黒水仙を譲り受けようとするが、きっぱりと断わられてしまう。周江から黒水仙の話を聞いた&q […]
鮑仁(ほう・じん)の茶園に迫る銭家の下男と呉(ご)執事。麗娘(れいじょう)から鮑仁の殺害を命じられていた呉執事は、建物に火を放つ。しかし、鮑仁は運よく助かり、萍合楼へと逃げ延びることができた。これが父の所業を知った銭青青(せん・せいせい)は泣き崩れ、すすり泣く声は夜更けまで続いた […]
宇内十二令に忍び込んでいた寇英傑(こう・えいけつ)を、とっさの機転で逃がした鉄小薇(てつ・しょうび)。しかし、鉄海棠(てつ・かいとう)は侵入者を始末したという娘の言葉を信じようとはせず、兄と共に鷹千里(よう・せんり)のもとへ赴き、協力して曲者の足取りを追うように命じる。一方、寇英 […]
「結婚については自分で決断します」。厳忠書(げん・ちゅうしょ)は銭青青(せん・せいせい)との縁談を断り、尹双双(いん・そうそう)を娶る決意であることを父・厳郁(げん・いく)に告げた。一方の銭青青もまた、父の銭万財(せん・ばんざい)に好きな相手と結婚させてほしいとせがむ。一度は承諾 […]
まだデータがありません。