曲三酒館に佇む3人――点穴を施されて身動きすることのできない穆念慈(ぼく・ねんじ)と程瑤迦(てい・ようか)、陸冠英(りく・かんえい)の間を、欧陽克(おうよう・こく)が足を引きずりながら歩き回っていた。穆念慈に触れ、不埒な言葉をささやく欧陽克。そこへ、楊康(よう・こう)が。欧陽克は […]
黄薬師(こう・やくし)を討とうと待ち受ける全真七子。禍々しい風が、荒れ果てた曲三酒館を吹き抜ける――しかし、彼らの前に姿を現したのは、意外や梅超風(ばい・ちょうふう)だった。師匠を待ち伏せしていたと聞かされては、梅超風も黙ってはいられない。単身で挑む梅超風に、道士たちは天コウ北斗 […]
郭靖(かく・せい)と黄蓉(こう・よう)が治療を続ける隠し部屋に、霊智(れいち)上人たちが迫る。戸口に立ちはだかるようにしていた曲(きょく)の娘の「幽霊だ!」という声に振り返えると、彼らの視線の先には黄色い衣をまとった仮面の男が。「ニセ黄薬師(こう・やくし)のお出ましだ」と侯通海( […]
楊康(よう・こう)が完顔洪烈(ワンヤン・こうれつ)らと行動を共にしているのを知り、憤る郭靖(かく・せい)。「両親の死も兄弟の契りも忘れたか?」という問いに、楊康は平然と「私は金の完顔康だ」と返すのだった。説得を続けようにも、武穆遺書を狙う欧陽鋒(おうよう・ほう)が攻め立ててくる。 […]
武穆遺書を奪い、金と決別し、穆念慈(ぼく・ねんじ)と共に牛家村へ。すべては自らが思い描いた通りに進みつつあったが、楊康(よう・こう)は浮かぬ顔だった。それは師に恵まれず武芸者として大成できずにいることが理由かもしれない――彼は自分の心の内を欧陽克(おうよう・こく)に打ち明けるのだ […]
完顔洪烈(ワンヤン・こうれつ)の船を離れ、ようやく自由の身となった郭靖(かく・せい)一行。陸地を進むうちに、彼らはとある村へとたどり着く。そこは牛家村――かつて郭靖と楊康(よう・こう)の両親が住んでいた場所であった。一方、いまだ洋上にあった完顔洪烈の船に、近づく小舟が。乗っていた […]
経典の文言がデタラメだとは知らず、欧陽鋒(おうよう・ほう)は克(こく)の治療に励んでいた。効果がないのは謎の文字が羅列されている箇所の意味が分からないせいだと考えた欧陽鋒は、強引に船の行き先を変えさせて郭靖(かく・せい)たちを追うのだった。一方、郭靖たちはいかだで漂流を続けていた […]
潮が満ちてきた。黄蓉(こう・よう)の罠にはまり、脚が大岩の下敷きになった欧陽克(おうよう・こく)は、砂浜に横たわったまま死を待つしかなかった。「私が必ず救い出してやる」と欧陽鋒(おうよう・ほう)は言うが、岩を動かすことは不可能だ。最期の時が近いと覚悟を決めた彼は、物心がついて以来 […]
黄蓉(こう・よう)と洪七公(こう・しちこう)、そして欧陽克(おうよう・こく)の乗った小舟が陸地に到着した。毒にやられた洪七公を看病する黄蓉。欧陽克も毒消しを持っておらず、乗ってきた小舟もいつの間にか海に流されてしまったらしい。まさに八方ふさがりの状態のなか、時間は刻々と過ぎ、丐幇 […]
「九陰“偽”経を書け」。洪七公(こう・しちこう)の言葉に目を丸くする郭靖(かく・せい)。九陰真経を欲しがる欧陽克(おうよう・こく)は、経典の実物を目にしたことはないのだから、もっともらしい嘘を教えても疑われることはない――というのが、洪七公の考えだった。2人は相談しながら、九陰偽 […]
“老頑童”のイタズラ心が、またひとつ厄介事を生んでしまった。九陰真経を巡る誤解から、黄蓉(こう・よう)と郭靖(かく・せい)の縁談は白紙に。そのうえ周伯通(しゅう・はくつう)は、あろうことか九陰真経の原本を引き裂いてしまったのだ。やがて、郭靖たちが桃花島を去る時がやってきた。周伯通 […]
欧陽克(おうよう・こく)と黄蓉(こう・よう)の縁談――その真の目的は、九陰真経を手に入れること。ひた隠しにしていた本心を聞かれてしまった欧陽鋒(おうよう・ほう)は、周伯通(しゅう・はくつう)を追いかけ、彼の口を塞いでしまおうと襲いかかる。騒ぎを聞きつけ集まってくる黄薬師(こう・や […]
「周りの誰もが反対しても一緒になる」――郭靖(かく・せい)の言葉に、黄蓉(こう・よう)は「それなら2人で桃花島を出ましょう」と応えた。そこへ、周伯通(しゅう・はくつう)の助けを求める叫び声が。声のする方へ行ってみると、周伯通は毒蛇に咬まれたらしく、うわ言を言いながら苦しんでいる。 […]
桃花島にある洞窟の中で、郭靖(かく・せい)は周伯通(しゅう・はくつう)の“遊び相手”になりながら、次々に深遠な武芸を身に付けつつあった。一方、黄薬師(こう・やくし)の亡き妻・馮衡(ふう・こう)の命日は7日後に迫っていた。彼は郭靖を殺すと断言したが、本心では娘の恋心さえ冷めてしまえ […]
郭靖(かく・せい)が桃花陣の中をさまよっていると聞かされた黄蓉(こう・よう)は、彼を救おうと駆け出す。しかし黄薬師(こう・やくし)はそれを制し、「もし手助けをしたら奴を八つ裂きにするぞ」と言い放つのだった。同じ頃、郭靖は周伯通(しゅう・はくつう)から九陰真経が奪われた際のいきさつ […]
楊康(よう・こう)は、完顔洪烈(ワンヤン・こうれつ)を逃したことを郭靖(かく・せい)に告白した。しかし、郭靖は楊康を責めることなく、「恩返しも仇討ちも、同じくらい立派な行いだ」と言葉をかける。楊康と同じように、穆念慈(ぼく・ねんじ)もまた深い迷いの中にあった。楊康はそんな彼女に向 […]
丐幇の余兆興(よ・ちょうこう)と黎生(れい・せい)によると、宝応の地で続いている若い娘の失踪事件には欧陽克(おうよう・こく)が絡んでいるらしい。「懲らしめるしかないわね」と黄蓉(こう・よう)。彼女が立てた策は、自分が欧陽克に目をつけられている程瑤迦(てい・ようか)の身代わりとなり […]
男は額を床につけて、自分の命を救ってくれた郭靖(かく・せい)に感謝の言葉を述べた。「段天徳(だん・てんとく)、ご恩は忘れません」――片時も忘れはしなかった名前を耳にして振り返る郭靖。目の前の貧相な男こそ、18年前に彼の父を殺した張本人だった。「仇を討つ」といきり立つ郭靖に対し、段 […]
朱聡(しゅ・そう)によってイカサマの数々を暴かれた裘千仞(きゅう・せんじん)は、太湖へ飛び込んで帰雲荘を辞した。バカバカしい騒動は終わりを告げたが、同門であった陸乗風(りく・じょうふう)と梅超風(ばい・ちょうふう)との間に横たわる因縁は消えるはずもない。師・黄薬師(こう・やくし) […]
ねぐらにしていた廃廟へと戻った梅超風(ばい・ちょうふう)は、そこに置かれた“木牌の書簡”に触れ、弟子・楊康(よう・こう)の危機を知る。同時に何者かの気配を感じ取った彼女は、曲者に向かって身を躍らせた。相手の正体は、欧陽克(おうよう・こく)と手下たち――梅超風が持つ九陰真経を奪いに […]