趙合徳はすべての罪を背負い、河に身を投げた。悪事の黒幕が傅瑤であるのは歴然としていたが、重臣のほとんどは傅瑤に買収されていた。王政君の数少ない味方である蕭育と甥の王莽は秘かに劉欣の廃位を画策した。しかし、すぐに傅瑤に知られ、蕭育は王位転覆の主謀者として処刑されることが決る。
時は過ぎ、子供のいない成帝の世継ぎを決める日が訪れた。候補は傅瑤の孫の劉欣と、馮媛の息子・劉興。傅瑤はすでに重臣を買収しており、蕭育以外は劉欣を押した。さらに傅瑤の意を受けた趙合徳も色仕掛けで成帝を説得した。王政君は劉興を選ぶよう息子を諭した。そして皇太子に指名されたのは…。
妊婦のふりを続ける姉・趙飛燕のために、趙合徳は街で生まれたばかりの赤子を買って事態を収めることを考えた。しかし腹心の女官の情報により趙姉妹の狂言に気づいた傅瑤は、飛燕の元に届く前に赤子を殺させてしまう。姉妹は自分たちが傅瑤の操り人形でしかなく、もはや彼女の陰謀に加担する以外に残さ […]
朝廷内が懐妊騒動で揺れる頃、定陶の傅瑤は孫の劉欣の病に右往左往していた。長安から呼び寄せた医者は疫病と診断したが、必死の看病の甲斐あって、劉欣の体調は無事回復した。一方、成帝に取り入り、許娥からも金品を奪った淳于長は遊女に溺れる毎日だった。しかし、彼と許姉妹との危険な関係は女官を […]
なんとか成帝の寵愛を取り戻そうと思案する趙姉妹だったが、先に行動したのは姉の飛燕だった。成帝に土下座して一夜を共にすると、それからしばらくして懐妊した。王政君は過去に不貞を働いた彼女を信用おらず、自分たち姉妹が妊娠できない体であることを知っている合徳も姉を疑った。しかし飛燕は宮廷 […]
趙飛燕の不貞と、彼女が罷免さえされないことを知った王政君は成帝を厳しく叱った。しかし、必死で懇願する息子の面子を重んじ、趙姉妹と会わないことを約束させるのが精一杯だった。こうした朝廷の対応に、呪術を使っただけで皇后の座を剥奪された許娥の怒りは収まらず、王政君の慰めの言葉も彼女には […]
成帝の寵愛は趙合徳だけに注がれ、孤独に苦しむ姉の趙飛燕は護衛兵の燕赤鳳と関係を持った。それを成帝に気づかれた飛燕は逆に開き直り、二人が入浴中の現場をわざと成帝に目撃させる。怒り心頭に発した成帝はその場で燕赤鳳を殺し、さらに飛燕にも剣を向けた。だが、自らが負った心の傷の大きさを訴え […]
傅瑤の企みを知った趙姉妹であったが、傅瑤に逆らえるはずもなかった。将来を案じる姉の飛燕に対し、妹の合徳は今はただ快楽を貪ればいいのだと開き直る。やがて傅瑤も馮媛も封地へと戻り、同じ頃、蕭育が汝南の反乱鎮圧から帰ってきた。蕭育は趙姉妹を操っているのは傅瑤だという情報を掴んでおり、そ […]
太皇太后が崩御し、服喪のため定陶王太后の傅瑤と中山王太后の馮媛が帰京。王政君を含む三人は旧交を温めた。王政君のやつれた表情から後宮内の乱れを察した馮媛は趙姉妹の礼儀を欠いた高慢な態度を叱責したが、成帝の強力な後ろ盾を得る趙姉妹は意に介さなかった。しかし、趙姉妹は宮廷医の診察により […]
成帝との許娥の亀裂は決定的になり、事態を案じた彼女は呪術で成帝の心を取り戻そうと考えた。しかし皇室で呪術を使うことは禁止されており、それは重罪に値するものだった。すぐに事実は発覚。王政君も庇いようがなく、許娥は皇后の座を剥奪され、幽閉の身となった。成帝は趙飛燕を皇后にすることを望 […]
傅瑤の手はずで趙飛燕に続き、妹の趙合徳も後宮に入った。成帝の寵愛の対象はやがて合徳へと移り、溺愛の度は日ごと増していった。恭王の病状は少しも好転しなかったが、妻の丁姫が男児を出産。それを何よりも喜んだのが傅瑤である。劉欣と名付けられたこの子を丁姫から取り上げ、自ら面倒を見始める。 […]
政務に嫌気のさした成帝の楽しみはお気に入りの側室と過ごすことだった。そんな変化を見透かしたように策を講じたのが定陶で暮らす傅瑤だ。皇帝主催の宴に、養女として育てた趙飛燕・趙合徳の姉妹を送り込んだのである。趙飛燕の美貌と華麗な踊りに魅せられた成帝は趙飛燕を側室にする。恭王は母に命ぜ […]
成帝とその叔父である大司馬将軍・王鳳の対立はしだいに表面化し、王鳳が病気を理由に調停に参内しない事態にまで発展した。母・王政君や政務の補佐役・斎育は冷静に対応するように求めたが、成帝はこれを猛反発。ついには自らの威厳を守るために王鳳に辞職を命じ、母にも「自分の道を拒む者は誰であっ […]
兄が自分の罪を被って死んだことを知った傅瑤はようやく宮廷を去ることを決意するが、王政君への恨みは変わらなかった。定陶に向かう途中、美しい少女姉妹(趙宜主と趙合徳)を見つけると、そのまま屋敷に同行させ、礼儀作法から教育した。一方、後宮では皇后の許娥が出産するが、死産に終わる。落胆す […]
宮廷を出なければいけない日が近づいても、傅瑤にはまったくその気がなかった。新しい皇帝が即位すると、その兄弟は遠い領地に赴任することが漢王朝の定めであったが、彼女の権力への執念や皇太后となった王政君に対する憎悪がそれを許さなかったのである。劉康の説得も強く拒否した。それどころか何日 […]
聡明な許娥は懸命に劉 に尽くしたが、その寵愛を得られることはなかった。やがて元帝が病に倒れ、皇后らの面会もままならない状態となった。元帝は世継ぎに悩み、現皇太子の廃位と新皇太子の即位を考え始めた。重臣である蕭育は「長幼を重んじ、現皇太子をそのままに」と劉 を押し、同じく石顕は「人 […]
傅瑤は劉 の恋人・銀歓に言葉巧みに近づくと、「下級女官でも皇太子妃になれる」とそそのかし、すっかりその気にさせた。傅瑤の計略通り、劉 と銀歓の仲はしだいに深まり、ついには銀歓が子供を身ごもってしまった。事態が公になれば、銀歓は死罪、劉 は皇太子の地位を剥奪されかねない。王政君は銀 […]
「宮廷で寂しく老いるより、民を戦から救いたい」と言って匈奴のもとに嫁いでいく王昭君を、王政君、傅瑤、馮媛のかつての友が涙で見送った。王政君は傅瑤と昔の仲に戻れたと思ったが、それはまったくの勘違いだった。皇太子として元服式を無事に終えた劉 は、自分の世話をしてくれる美しい下級女官の […]
蕭育の父・蕭望之の投獄は政敵・石顕の陰謀であった。王政君は蕭育を伴い蕭望之のもとを訪れ、元帝に謝罪するよう説得するのだが、蕭望之は恥に耐えるより自ら死を選んだ。元帝はこれを惜しみ、息子の蕭育を要職に抜擢した。まもなく宮廷内で王政君と蕭育が不義密通しているとの噂が立った。裏で糸を引 […]
獣苑での騒動以来、元帝の心はすっかり馮媛に傾き、彼女の枕元には皇帝の愛の証しとも言うべき簪が増えていった。傅瑤のもとには一人の宦官が現れた。それは彼女が官職を与え、長安の都から遠ざけたはずの兄であった。兄は愛する妹のそばを離れがたく、自ら男であることを捨ててしまったのである。邪魔 […]