「私は永遠に、あなたのものよ」。胸元に彫られた狼の入れ墨を見せながら、君綺羅(くん・きら)は告げた。その想いに応えるべく、沐晟(ぼく・せい)は自身の玉佩を、綺羅に託すのだった。同じ頃、済世山荘では宴が。君無忌(くん・むき)が沐家寨に薬草を提供し、双方のわだかまりも解けた。殷雪涵( […]
沐晟(ぼく・せい)を秘かに恋い慕う沈斯如(しん・しじょ)。彼女のそんな想いは、ある偶然から沐晟の知るところとなってしまった。沈斯如は、今まで通りに振る舞うから聞かなかったことにしてほしいと告げるが、こみ上げる涙を止めることはできなかった。沐晟が立ち去ると、2人のやり取りを盗み見て […]
沐晟(ぼく・せい)こそが君綺羅(くん・きら)の言う"英雄"だった。その事実を知った沈斯如(しん・しじょ)は、わが身の不幸を呪う。裕福な家庭に生まれて両親に大事にされ、愛する人との再会を果たした綺羅。その一方で、実の親と死に別れた斯如は、初めて心を寄せた男性も綺 […]
明家堡の白沙鎮分舵に集められた娘たちは、明帝の遺体と共に葬られようとしていた。その中には、君綺羅(くん・きら)の姿も。まんまと生き埋めにされてたまるかと、脱走計画を実行に移す綺羅たち。侍女に成りすまして出口を捜す彼女の前に、黒装束の男が立ちはだかる。それは沐晟(ぼく・せい)だった […]
清朝末期、明家堡を率いる"明帝"は江湖の統一を目論み、他の門派への襲撃を繰り返していた。抗争に巻き込まれ命を落とした者たちの屍が横たわる街路を、ひと組の親子が歩いていた。君無忌(くん・むき)とその幼い娘・綺羅(きら)である。折り重なる死体の山の中から、まだ息の […]