郭彩綾(かく・さいりょう)が西閣楼に駆けつけると、やはり寇英傑(こう・えいけつ)の姿はなく、寝台に手紙が残されているだけだった。そこに書きつけられていたのは郭彩綾への悪口ばかり。一読、怒り心頭に発した彼女は、絶対に寇英傑を捕まえてやると気勢を上げる。だが、この手紙は司空遠(し・く […]
夜の白馬山荘――その庭で、郭彩綾(かく・さいりょう)は月光を浴びて抱きあう男女の姿を見る。2人は寇英傑(こう・えいけつ)と鉄小薇(てつ・しょうび)だった。とっさに身を隠す郭彩綾。鉄小薇によれば、風雷堡の猛者たちが今まさに白馬山荘に攻め寄せつつあるのだという。そして、寇英傑が宇内十 […]
寇英傑(こう・えいけつ)は白馬山荘を去ることを考え始める。オ大野(お・たいや)から向けられる敵意に、彼は命の危険さえ感じていたのだ。その一方で、郭白雲(かく・はくうん)が築き上げた白馬門の行く末を憂う気持ちもあった。迷いの中、寇英傑は師の亡骸が安置されている霊堂で一夜を過ごし、明 […]
朱佩瑤(しゅ・はいよう)の父に成りすました馬元賜(ば・げんし)。息子の寇英傑(こう・えいけつ)を人質に取ったと言い聞かされている彼には、神算子(しんさんし)の筋書き通り父親役を演じるより外に手はなかった。朱佩瑤は生き別れになっていた父との再会だと信じて疑わず、涙を流す。目論見が図 […]
馬の目利きとして知られる周江(しゅう・こう)は、寇英傑(こう・えいけつ)の馬が黒水仙(こくすいせん)ではないかと目を付けた。彼は「馬を欲しがっている人がいる」と切り出し、高額な買い値を提示して黒水仙を譲り受けようとするが、きっぱりと断わられてしまう。周江から黒水仙の話を聞いた&q […]
宇内十二令に忍び込んでいた寇英傑(こう・えいけつ)を、とっさの機転で逃がした鉄小薇(てつ・しょうび)。しかし、鉄海棠(てつ・かいとう)は侵入者を始末したという娘の言葉を信じようとはせず、兄と共に鷹千里(よう・せんり)のもとへ赴き、協力して曲者の足取りを追うように命じる。一方、寇英 […]
かつて江湖にその名を轟かせた大侠・成紅梅(せい・こうばい)の死。それを悼むかのように墓前に佇んでいた彼の愛馬・黒水仙(こくすいせん)もいつしか姿を消し、人々の間には"100年に1頭の名馬"という伝説めいた噂だけが残った。それから20年――黄花草原に住む寇英傑( […]