婚礼を終えて部屋に戻ってきた阿勒邱(あろくきゅう)。阿照(あしょう)が用意してくれた食事を味わっていると、そこに突然、阿室于(あしつう)がやって来た。阿勒邱に茶を入れろと指図したかと思えば、熱すぎると言って放り投げる――尊大な振る舞いをする阿室于に対し、阿照は怒りを抑えきれない。 […]
未だ阿勒邱(あろくきゅう)への想いを断ちきれない木坤(ぼく・こん)に、諦めなければまだ望みはある、本当の気持ちを確かめてみることだと囁く西和(せいわ)。躊躇う木坤だったが、結局は彼女の本心を探ってみることを選ぶのだった。木坤がその場を立ち去った直後、阿勒邱が怪訝な顔つきで西和に近 […]
木増(ぼく・ぞう)は、自分ではなく阿勒邱(あろくきゅう)を選んだ――その事実が阿室于(あしつう)を憤慨させていた。そんな彼女のもとに阿月拉(あげつら)が。刺繍を教わりたいから部屋に来てほしいのだという。昏睡中の木増の容体が気にかかる阿室于。しかし、若様は誰かに世話させるから大丈夫 […]
雪深い殉情谷で心中を企てた木増(ぼく・ぞう)と阿勒邱(あろくきゅう)。死を目前にし、阿勒邱は自分が木府に来た本当の理由を静かに語っていた。「一緒に死ねるのは幸せなことなのね。そうでしょ?」と木増に問いかけるが返事はない。この時すでに、木増は意識を失っていたのだ。がくりとうなだれる […]
何が欲しいかと羅寧(ら・ねい)に問われ、巴諾(はだく)は戸惑っていた。褒美をもらうような手柄など立てていないと答える巴諾。しかし、羅寧がこう切り出したのは考えがあってのことだった。巴諾は野心を持つ曲者。忠誠を誓わせるには"飴"が必要である。どんな望みでも良いと […]
"君は わが妻"――阿室于(あしつう)が差し出した紙には、ナシ族のトンパ文字でそう書かれていた。増(ぞう)兄様が書いてくれたのと自慢げに話す阿室于。「君が喜ぶことなら何でもしてあげよう」と微笑む木増(ぼく・ぞう)。阿勒邱(あろくきゅう)は、そんな2人を黙って見 […]
木増(ぼく・ぞう)から、「坤(こん)と私は君との結婚を望んでいる。どちらか選んでくれ」と告げられた阿勒邱(あろくきゅう)。自分の答え次第で彼らの運命は変ってしまう。一瞬、木増に視線を走らせた後、彼女は静かにこう言った。「お二人とも好きではありません。ですから、決められたお相手と結 […]
木増(ぼく・ぞう)は阿室于(あしつう)と結婚するのが一番いいのだと、阿勒邱(あろくきゅう)は半ば諦めていた。だが、復讐の邪魔になる阿室于を殺すという西和(せいわ)の言葉を聞いてしまっては、さすがに冷静ではいられない。一族の仇でもない彼女を巻き込むなど、そんな非道は両親も望んでいな […]
「人質を返せ」――木羅(ぼく・ら)の目の前で、開口一番そう言った男こそ、木府の嫡孫・木増(ぼく・ぞう)だった。思いもよらぬ事実に、一瞬驚きの表情を見せる木羅。しかも人質とは阿勒邱(あろくきゅう)のことらしい。何のことだか分からない木羅だったが、木増は、阿勒邱を誘拐できるのは木羅し […]
木羅(ぼく・ら)には何か裏がある。そう睨んだ阿勒邱(あろくきゅう)は内実を探るため、木増(ぼく・ぞう)と共に、働き口を探している夫婦を装って金鉱へ潜入することに。その夜、阿勒邱、木増、高玉龍(こう・ぎょくりゅう)、阿照(あしょう)の4人は人目を忍んで集まった。木羅が何か隠し事をし […]
木旺(ぼく・おう)から木隆(ぼく・りゅう)に言い渡された軍での役回りは"雑役"だった。その上、軍営で騒ぎを起こし、上官である阿雄(あゆう)に狼藉を働いた罰で、鞭打ち30回の刑まで課せられる。慌てて阿雄が、自分の責任であるから処罰してくれと訴えても、西和(せいわ […]
決闘は終わった――はずだった。にも関わらず、1人の神廟(しんびょう)武士が、なおも木増(ぼく・ぞう)に襲いかかってくる。それもそのはず、これは木増暗殺の命を帯びた西和(せいわ)の手下が扮した者だからだ。万事休すかと思われたが、木隆(ぼく・りゅう)のおかげで無事に事なきを得て、三朶 […]
阿勒邱(あろくきゅう)が灯りを消そうとした瞬間、阿照(あしょう)は「消さないで」と叫んだ。そして、阿勒邱に駆け寄ると、闇が怖い、目を閉じるとあの人の顔が浮かぶと言いながらその場に崩れ落ちてしまう。状況が分からず戸惑う阿勒邱。だが、何かに怯えた様子で自分にしがみつく彼女を抱きしめ、 […]
西和(せいわ)が阿勒邱(あろくきゅう)に手渡したものは毒だった。これを羅寧(ら・ねい)が毎日飲む山羊の乳に混ぜろという。動揺しながらも、命じられた通り山羊の乳に毒を混ぜる阿勒邱。だが、その一部始終を阿玉(あぎょく)に目撃されていた。やがて、羅寧のもとに山羊の乳を運んだ阿勒邱は、突 […]
阿勒邱(あろくきゅう)は、金庫から腕輪を盗んだという身に覚えのない罪で死刑囚牢に投獄された。彼女を救おうと牢屋に来た西和(せいわ)。諦めたかのように、復讐は終わりにしましょう。これが私の最期の願いだと告げる阿勒邱に、「必ず助けてやるから弱音を吐くな」と言い残し去って行くのだった。 […]
土司・木旺(ぼく・おう)から、阿照(あしょう)を釈放し、金鉱管理の助手として側に置くことを許された阿勒邱(あろくきゅう)。部屋に戻った2人は、これから姉妹として互いに支え合うことを誓い合う。西和(せいわ)は、自分たちの秘密を知っている阿照の存在に不満を持つものの、阿勒邱の信頼は揺 […]
諾蘭(だくらん)は生きており、しかも誰かと組んで黄金を横領した――木坤(ぼく・こん)の言葉に木隆(ぼく・りゅう)は、わずかばかりの動揺を見せた。この"誰か"とは紛れもなく彼自身のことなのだ。自分が解決するから誰にも言うなと口止めし坤を下がらせると、急ぎ屋敷の門 […]
木増(ぼく・ぞう)の命を救った阿勒邱(あろくきゅう)はその褒美として、掟を破ったために罰を受けている木坤(ぼく・こん)の解放を訴えた。その無欲さと思いやりの心に感心した羅寧(ら・ねい)は、死んだ諾蘭(だくらん)が行っていた金鉱の管理を彼女に任せることを決める。そんななか、木青(ぼ […]
松明祭りの最中、突然、黒衣の男たちが刀を振り上げ木増(ぼく・ぞう)に向かってきた。反射的に彼の前に立ちはだかる阿勒邱(あろくきゅう)。たちまち辺りは騒然となった。異変に気付いた高玉龍(こう・ぎょくりゅう)らが駆けつけようとするも、逃げ惑う群衆に行く手を塞がれ思うように動けない。そ […]
ある雪の夜、木府の門前に、2つの影があった。1人は西和(せいわ)――かつて木氏との覇権争いに敗れて滅ぼされた一族の残党である。もう1人は西和の姪・阿勒邱(あろくきゅう)。彼は、まだ幼い姪を木府に潜り込ませ、積年の恨みを晴らす機会を伺おうと考えたのだ。それから幾年かの月日が流れ、阿 […]