深手を負っていながら寝台から姿を消した東方白(とうほう・はく)の身を案じて探しにでた王冬(おう・とう)は、天魔琴の音に導かれるように八音澗へと辿り着く。そこには、ついに天龍八音を習得し終えた東方白の姿があった。半ば正気を失ったかのようにひとりで語り続ける東方白。秘かにその様子を見 […]
突然、譚月華(たん・げっか)を殺人鬼と呼んで襲いかかった呂麟(りょ・りん)。しかし、意識を取り戻した彼は、この出来事の記憶を失っていた。不審に思ったムカデ男は、呂麟に修練中の技を見せてみろと促す。得意気に技を披露する呂麟とは対照的に、ムカデ男は湧き上がる疑惑に身動きできずにいた。 […]
「産着に麒麟の刺繍がなかったか?」――古ぼけた産着と呂麟(りょ・りん)の出生についてしつこく尋ねるムカデ男に、譚月華(たん・げっか)はうんざりしていた。その質問の真意を知るはずもない譚月華は、ムカデ男の言葉を遮って立ち去る。彼女には天龍八音の楽譜を奪うという、急を要する任務があっ […]
呂麟(りょ・りん)たちが辿り着いてみると、争いの跡が残る烈火宮に人影は無く、ひっそりと静まり返っていた。烈火祖師(れっかそし)らの身を案じ、うろたえる譚月華(たん・げっか)。そこへ鬼聖(きせい)が。彼は、「息子の命を返せ」と呂麟に襲いかかるが、譚月華に阻まれる。血蛇蠱毒の治療のた […]
昏々と眠り続ける王雪梅(おう・せつばい)を見つめる傅雲俊(ふ・うんしゅん)。毒消しを手に入れるために受け入れた端木虹(たんぼく・こう)との結婚――婚儀を前にした新郎の心は、晴れやかとは言い難いものだった。その一方で、端木虹も、余りにも非情な父の告白を思い返していた。やがて、式は幕 […]
王雪梅(おう・せつばい)は、これまで尽くしてくれた斉福(せい・ふく)への感謝の思いを伝える。彼女は自分の死期が近いことを悟っていた。傅雲俊(ふ・うんしゅん)の肩にもたれ、星を眺める王雪梅。自身を孤独な星になぞらえた彼女に対し、傅雲俊は「ずっと3人で寄り添って生きていこう」と告げる […]
王雪梅(おう・せつばい)は、これまで尽くしてくれた斉福(せい・ふく)への感謝の思いを伝える。彼女は自分の死期が近いことを悟っていた。傅雲俊(ふ・うんしゅん)の肩にもたれ、星を眺める王雪梅。自身を孤独な星になぞらえた彼女に対し、傅雲俊は「ずっと2人で寄り添って生きていこう」と告げる […]
潭月華(たん・げっか)を蝕んでいたのは、強烈な寒気を放つ毒――血蛇蠱毒だった。医者の見立てによれば、普通の薬では効き目はなく、タングラ山に棲む赤ヤモリの肝だけが血蛇蠱毒を退けられるのだという。礼を言い、医者を見送った呂麟(りょ・りん)。その時、彼は街角に王雪梅(おう・せつばい)と […]
王雪梅(おう・せつばい)は、東方白(とうほう・はく)から手渡された薬を飲んだ。「内傷に効く」と言われたその薬は、実は端木愷(たんぼく・がい)が秘伝の薬草を調合して作ったもの。一時的に功力は増すが、やがて功力と共に全ての記憶を失ってしまうという恐ろしい副作用を秘めていた。一方、呂麟 […]
魔力が暴走し、僧たちを次々と手にかけた王雪梅(おう・せつばい)。一転、糸が切れたようによろめきだした彼女を抱きとめたのは傅雲俊(ふ・うんしゅん)だった。「死なせはしない」とつぶやいた彼は、王雪梅に内力を巡らせて窮地を救う。しかし、その後も彼女は意識を失ったまま眠り続けていた。この […]
傅雲俊(ふ・うんしゅん)と端木虹(たんぼく・こう)の間に流れる、ぎくしゃくとした空気――。その様子を不審に思った端木愷(たんぼく・がい)は、「なぜ結婚の話になると黙るのだ?」と問い質す。傅雲俊は胸の内を洗いざらい話してしまおうと考えるが、彼が口を開くより先に端木虹が「私はまだ嫁ぎ […]