天然痘に倒れた順治(じゅんち)帝――侍医の見立てによると、余命はあと2日だという。皇太后や后妃、そして多くの臣下が遠巻きに見守るなか、順治帝が隔離された西暖閣から董小宛(とう・しょうえん)が現れた。既に心は決まり、穏やかな表情の彼女は皇太后に最後の別れを告げ、再び陛下の元へと帰っ […]
董小宛(とう・しょうえん)は皇后をはじめとする妃嬪たちの訪問を受けていた。口々にお祝いの言葉を述べる彼女たちの様子からは、かつて権謀術数に明け暮れ、とげとげしい空気に包まれていた頃の後宮の雰囲気を感じ取ることはできなかった。その夜、皇貴妃昇格を祝って打ち上げられた花火を楽しんだ小 […]
「お腹の子を犠牲にした時、つらかったでしょう?」――董小宛(とう・しょうえん)は、そう果珍(グオチェン)に問いかけた。さらに、冷宮送りとなっては死んだも同然だと半ば自暴自棄になっていた果珍に、自らの行いを悔い改めて徳を積むよう諭す。そして、果珍に促され、小宛はずっと確かめたかった […]
董小宛(とう・しょうえん)の亡霊に次々と罪を暴き立てられ、果珍(グオチェン)は恐れおののくばかり。しかし、亡霊というのは嘘で、それは生きた小宛自身。自害をしたというのも芝居だったのだ。果珍がそれを見破ったのと同時に、法源寺の堂内に洪承疇(こう・しょうちゅう)や鼇拝(オボイ)たちが […]
董小宛(とう・しょうえん)の無実を証明するため、英格爾(インガル)たちは膝を突き合わせ話し合っていた。果珍(グオチェン)と馮(ひょう)侍医を結ぶ過去の繋がりはつかんだ。だが、有力な証拠がなく、果珍に忠誠を誓った馮侍医や侍女の雲児(ユンアル)を問い詰めて切り崩していくことも期待でき […]
自ら命を絶とうとした果珍(グオチェン)だったが、最悪の事態は回避された。昏睡状態から目覚めた彼女は、ためらいもなく自分を傷つける董小宛(とう・しょうえん)や他の妃嬪たちへの憤りを、涙ながらに口にする。同情し、果珍を慰めた順治(じゅんち)帝は、「朕やそなたの知る董小宛は、もういない […]
親友だと思っていた果珍(グオチェン)に無実の罪をなすりつけられた董小宛(とう・しょうえん)は、彼女の本性を悟った。善女の仮面をかぶり続けてきた果珍――自らの生命を危険にさらし、我が子を犠牲にしてまで打った彼女の大芝居を、誰が疑うだろう。己の無実を証明する困難さを知り、小宛はうちひ […]
果珍(グオチェン)の心の内が見えない――そうつぶやいた董小宛(とう・しょうえん)の言葉に、扣扣(こうこう)はいぶかしげに問い返す。果珍の純真さは、後宮の誰もが認めるところ。それに、小宛とは姉妹のような仲である。しかし当の小宛は、果珍のとある“失言”をきっかけに芽生えた彼女への疑心 […]
静(せい)妃・索爾娜(ソルナ)と董小宛(とう・しょうえん)の接近は、後宮を大きく揺るがせることとなった。2人の親密さが目障りな蘭(らん)貴妃・果珍(グオチェン)は小宛に警告を与え、索爾娜を忌み嫌う順治(じゅんち)帝は訪問の理由を問い詰める。しかし、索爾娜の態度に以前のような敵意を […]
順治(じゅんち)帝は、皇貴妃の座に董小宛(とう・しょうえん)を据えようと考えていた。しかし、賛同してもらえると考えていた皇太后から、思わぬ反対に遭う。皇太后は、トゥン佳(トゥンギャ)氏か果珍(グオチェン)が適当であると考えていたのだ。一方、果珍は次の皇貴妃には自分がなるのだと、並 […]
毒蝶事件には索爾娜(ソルナ)だけでなく霊珠(リンチュウ)までもが関わっていた。毒衣事件、毒本事件の真相を明かす賢(けん)妃の予想外の告白に、ただただ呆れるほかはない順治(じゅんち)帝。しかし、賢妃と那琪(ナチ)の証言により、簡(かん)親王と霊珠を成敗する準備は整った。腰をあげた順 […]
「那琪(ナチ)に毒を仕込むよう指示したのは、簡(かん)親王・済度(ジドゥ)だ」。そう断言し、居並ぶ后妃たちに視線を向けた順治(じゅんち)帝。すると、皇后・多娜(トナ)が口を開いた。何を尋ねられても口を開こうとしない那琪を、后妃たちが順番に説得してみてはどうかと申し出たのだ。「那琪 […]
順治(じゅんち)帝は、妹にも簡(かん)親王の悪事を告発させるよう、那岳(ナユエ)に命じた。彼の証言だけでは、簡親王に反論される恐れがある。完全に追い込むためには、那琪(ナチ)の証言も不可欠であった。しかし、そのやり取りはいつの間にか意識を取り戻していた那琪の耳に。いまだ簡親王を愛 […]
昏睡状態から目覚めた董小宛(とう・しょうえん)は、彼女の名を呼びながら看病を続けていた順治(じゅんち)帝への感謝を口にした。改めて、お互いを想う気持ちを確かめ合った順治帝と小宛。彼女の命の危機が去った今、最も重要なのは毒衣を用いて小宛を亡き者にしようとした下手人を捕らえることであ […]
舞踏大会の最中、華麗に舞っていた董小宛(とう・しょうえん)が突如意識を失った。金(きん)侍医の診察によると、遅効性の毒が小宛の体をむしばんでいるとのこと。毒が特定できないため、的確な薬の処方ができず、順治(じゅんち)帝は気を失ったままの小宛を前に気を揉むばかりだった。一方、刺客た […]
皇太后に認められ、董小宛(とう・しょうえん)は後宮での地位を確立することができた。しかし霊珠(リンチュウ)は、いい気になっていると恥をかくと皮肉を言い、小宛に舞を披露させてはどうかと提案。何か口実を見つけてこき下ろしてやろうという魂胆だったが、その思惑は外れ、霊珠ほか舞の得意な妃 […]
劉光才(りゅう・こうさい)は、天地会の患者ではないかと疑われていた董小宛(とう・しょうえん)と扣扣(こうこう)が潔白であると断言した。皇太后の腹心の部下にして、陛下の命を受けて天地会に潜伏していた劉公公の証言に、異論を挟める者など居ようはずがない。だが、引き下がらざるを得なくなっ […]
扣扣(こうこう)の兄が天地会の一員だったことが明らかに。そのせいで、董小宛(とう・しょうえん)が反清の企みをもって宮中に送り込まれた天地会の間者ではないかという疑惑が持ち上がる。議政王大臣たちはこの件を追求しようと躍起になっていたが、順治帝はいずれ小宛の潔白が証明されるだろうと楽 […]
皇太后の暗殺を企む天地会は、皇宮に乗り込む準備を着々と進めていた。宮中に潜む間者の存在があぶり出されつつある今、計画の要となる劉光才(りゅう・こうさい)の正体が暴かれるのも時間の問題。時期を繰り上げての決行ではあるが、総舵主・陳近南(ちん・きんなん)は勝利を信じて疑わなかった。そ […]
玲児(リンアル)が語った驚愕の事実。それが本当だとすると、毒本事件の黒幕は皇太后だということになる。自ら董小宛(とう・しょうえん)を尋問した皇太后が――恐ろしい真相に震える賢(けん)妃とは対照的に、皇貴妃・霊珠(リンチュウ)は皇太后の知謀を称えた。そして、皇太后も小宛を滅ぼすべき […]