視察から戻った順治(じゅんち)帝が挨拶に出向くと、皇太后はいつになく上機嫌な様子で迎えた。微笑む彼女が蘇納(スナ)に持ってこさせた物――それは黄旗の印章だった。これを手にすることは、順治帝が“真の皇帝”となったことを意味する。9年越しの念願であった両黄旗の掌握に喜びもひとしおの順 […]
思いがけぬ懐妊。喜ぶべきこの出来事も、董小宛(とう・しょうえん)にとっては、災いの種でしかなかった。もし彼女が子どもを産むようなことになれば、順治(じゅんち)帝の立場は極めて危うくなってしまう。金(きん)侍医は、皇帝の帰還を待って今後のことを考えてはと諭すが、小宛の気持ちは揺るが […]
毒本事件を独自に捜査してきた董小宛(とう・しょうえん)は、柳二雲(りゅう・じうん)が下手人ではないかと目星を付ける。しかし、劉光才(りゅう・こうさい)の信頼厚い彼を犯人扱いしたとあっては、皇太后ににらまれてしまう。そこで小宛は、疑心に気づかれないよう二雲を尋問に参加させて、彼の反 […]
董小宛(とう・しょうえん)を殺したいほど憎んでいるのは誰か。英格爾(インガル)が皇貴妃・霊珠(リンチュウ)と静(せい)妃・索爾娜(ソルナ)の名前を挙げると、小宛自身もその考えに同意した。本に毒を塗った者は、この2人のいずれかに命じられたと考えて間違いなさそうである。毒本事件の真犯 […]
毒本事件の取り調べから解放された董小宛(とう・しょうえん)は、皇太后に申し出たとおり、廃妃とするよう順治(じゅんち)帝に直訴した。しかし、どんな理由を持ち出そうとも、すべては皇太后の差し金だと考える順治帝が納得するはずもない。順治帝が黄旗を掌握して真の皇帝となるには、自分が妃の座 […]
劉光才(りゅう・こうさい)らによる董小宛(とう・しょうえん)への尋問は、すでに6日を数えていた。不眠不休の尋問を強いられ極限まで追い詰められながらも、頑として毒本事件の犯人であると認めようとはしない小宛。一方、鐘粹宮の侍女や太監への取り調べを行っていた英格爾(インガル)も、これと […]
第三皇子・玄燁(げんよう)の誕生日を祝う宴が開かれた。董小宛(とう・しょうえん)の贈り物は玄燁が希望したとおり、唐詩を書写した本である。その文字が美しいと称えられたうえ得意の歌を披露した小宛は、この宴のもう1人の主役と言っていい活躍ぶり。しかし、それが気に入らない静(せい)妃・索 […]
三法撤廃を目論む順治(じゅんち)帝と、議政王大臣の対立は深刻だった。妥協点を見出すべく大臣との話し合いに臨んだ皇太后は、三法を廃止するのではなく、王公たちの特権を一部制限してはどうかと提案。簡(かん)親王一派はこれに反対するが、鼇拝(オボイ)らの強い賛成もあり、大臣たちが制限の内 […]
門番を斬って逃亡した奴婢をかくまった罪で囚われの身となった洪承疇(こう・しょうちゅう)の処遇を決めるための朝議が始まった。そもそも、奴婢が反乱を起こすところまで追い詰めた簡(かん)親王に落ち度はなかったのかと問いただす順治(じゅんち)帝。これに簡親王は「こたびの件で洪承疇を罪に問 […]
簡(かん)親王の領地から奴婢が脱走、門番が殺されるという事件が。一報を聞いた簡親王は激怒、奴婢を1人残らず斬り捨てよと命じた。ほとんどの奴婢は無残にも殺されてしまったが、生き延びた男女がいた。2人は父の幼なじみ・鄭徳海(てい・とくかい)が雇われている洪承疇(こう・しょうちゅう)の […]
傷も癒えぬうちに掃除を始めた婉児(ワンアル)を気遣う柳二雲(りゅう・じうん)。その役目を代わってやると申し出た彼は、婉児が去ったのを確認するや戸棚から小箱を取り出した。その中には、皇太后が命じて董小宛(とう・しょうえん)に処方させた避妊薬が。漢人である小宛が懐妊すれば、清国を揺る […]
扣扣(こうこう)と婉児(ワンアル)が罰を受け、その目の前で董小宛(とう・しょうえん)が見せしめのように歌わされている――その知らせを聞いた順治(じゅんち)帝は激高し、慈寧宮へ駆けつけようとする。しかし、洪承疇(こう・しょうちゅう)に諫められると、急に態度を一変させた。その言葉から […]
慈寧宮での花の鑑賞会の前夜。順治(じゅんち)帝の勧めで参加する運びとなった董小宛(とう・しょうえん)は、着ていく衣装を選んでいた。本来なら順治帝から贈られた新しいものを着ていきたいところ。しかし、彼女は宮中での立場も考え、他の后妃から嫉妬を招かないよう質素な衣装を身につけることに […]
董小宛(とう・しょうえん)が徳(とく)妃に封じられた。その波紋は殊の外大きく、議政王大臣や妃嬪たちを驚愕させたばかりか、順治(じゅんち)帝と皇太后の間にも大きな亀裂が。鼇拝(オボイ)を味方につければ他の大臣たちも説得できるのではないかと考えた順治帝を、皇太后は「楽観的すぎる」と一 […]
議政王大臣たちは、董小宛(とう・しょうえん)を冊封するという順治(じゅんち)帝の宣言を、黄旗の返上拒否と廃位を盾に退けた。胸をなで下ろした彼らは、国を危機に陥らせぬよう改めて一致団結しようと確認し合う。そんななか、順治帝は大事な報告があると后妃を集めていた。読み上げるよう手渡され […]
大方の予想に反し、霊珠(リンチュウ)は皇后の座を逃し、皇貴妃となるに留まった。しかし、意地の悪い彼女を毛嫌いする扣扣(こうこう)は、「本来なら冷宮に送られて当然」と不満顔だ。一方、霊珠の立后を皇太后から直々にほのめかされていた鄭(てい)親王も納得がいかずに悶々としていた。息子の簡 […]
董小宛(とう・しょうえん)の顔に毒をかけようとした皇后・索爾娜(ソルナ)。その凶行を、順治(じゅんち)帝はすんでの所で防いだ。しかし、皇帝自らによる尋問が始まっても皇后は悪態をつくばかりで、まるで反省の色がない。その姿に感情を抑えきれなくなった順治帝は、彼女の頬を打つのだった。敬 […]
董小宛(とう・しょうえん)の屋敷は、“重草宛”と名付けられた。小宛はそこに、入宮を拒もうとする皇太后の強い意志を感じ取る。そんななか、順治(じゅんち)帝の提案に押し切られ、小宛は朝日に照らされる皇宮の美しい姿を見て回ることに。一行が玄武門へと差し掛かると、そこには例の鉄牌が。“漢 […]
順治(じゅんち)帝の命を受け、呉三桂(ご・さんけい)の陣営へとやってきた洪承疇(こう・しょうちゅう)と鼇拝(オボイ)。呉三桂の捕縛が雲南に伝わるのを防ぐのが目的だったが、何者かの密書によって事態を知った胡国柱(こ・こくちゅう)は、すでに雲南へと逃れていた。一方、英格爾(インガル) […]
董小宛(とう・しょうえん)と陳円円(ちん・えんえん)――名高い歌妓の共演に、皇太后は素直に称賛の声を上げた。それを見て、目を細める順治(じゅんち)帝。しかし、この一件が新たな火種に。小宛のせいで叱責を受けた皇后・索爾娜(ソルナ)は、皇太后がよりによって彼女を訪れたことにいらだちを […]