司寇に任ぜられたにも関わらず、趙武は、実の父と一族を死に追いやった屠岸賈への私刑を拒んだ。屠岸賈を心底憎む韓厥は、正当に審議したいという趙武の冷静さが理解できず、育ての親である程嬰にも怒りをぶつける。無姜は屠岸賈の命乞いをし、荘姫からは屠岸賈の首を取れと命じられ、趙武は悩んだ末に […]
屠岸賈に恐れをなした景公は亡命を決め、長年最も近くで仕えた大監 冉白をただ1人伴って馬車で魯国へ向かった。だが、晋国を出ないうちに無姜の馬車に追いつかれ、冉白までもが屠岸賈の手下だったことを知る。趙朔殺害を詫びる言葉を荘姫に遺して死を覚悟した時、無姜の馬車から韓厥と趙武が現れた… […]
約束通り宮殿に戻った趙武には、死罪の道しか残されていなかった。だが、荘姫が待ったをかける。この者は趙武ではないと訴えることで、景公に言い訳を与えたのだ。何もかも理解したうえで景公は、それを受諾。趙武は大業として放免されることとなった…。数刻後、荘姫は礼を伝えるため再び景公を訪れる […]
夜更けに酒を携えた屠岸賈が程嬰の居所にやって来た。神妙な面持ちの屠岸賈に程嬰は、終わりが近づいていることを悟らせようとするが、屠岸賈は頑として受け入れない。一方、大業は、到満と刺客たちの裏をかいて離楼の宿に忍び込む。屠岸賈の策略を知らされた離楼は大業に協力することを承諾し、秦国の […]
無姜は、草児が屠岸賈の娘であり、屠岸賈が邪魔な彼女を殺そうとしたという話を信じていた。その誤解が、19年前の赤子取り替えの逸話に信憑性を与えることになった。愛する一人息子に責め立てられても、誤解を解く術は屠岸賈にはない。そんな時、程嬰が屠岸邸からさらわれた。目が覚めると趙朔の邸宅 […]
屠岸賈に罪を着せようと、自らを刀で刺し致命傷を負った草児。程嬰も匙を投げ、無姜が最期を看取ろうとしたところに、秦国の名医 医緩が飛び込んできた。思わぬ偶然だと喜ぶや否や、あることに気づいた程嬰は宋香のところに走り、すぐに韓厥の屋敷に行って隠れるよう命じる。そうすれば大業が助かると […]
屠岸賈より執訊令の役職を命じられた大業は、次々と関係者に審問する。その結果、趙朔が他人のために奔走する義に厚い人徳者だったことや、未だに誰もが趙朔の死を悼んでいることが浮き彫りに。宮中では景公が、真正面から自分に審問した勇ましい青年の経歴書を見ていた。それが程嬰の息子だと知って、 […]
自らの出生について調べ始めた無姜の頭には、父親に対する疑惑が膨らんでいた。家に帰らない息子を連れ戻すよう屠岸賈に命じられ、程嬰は、草児が出没する宿屋にやって来る。無姜を見つけると、父親への疑いが正しいものかどうかを問い、無姜たちが生まれた日に死んだ、屠岸賈の執事についての調査を勧 […]
草児の講釈を聞いた誰もが、取り替えられた赤子は趙朔と屠岸賈の息子だと推測し、無姜本人も己の出自を疑い始めた。そして、大業とともに真相を確かめるべく当時のことを知るという医者を訪ねることに。若い娘の講釈師の噂を聞いた到満は一連の出来事がすべて程嬰の策略ではないかと疑い、屠岸賈に警戒 […]
宋香の回復を確信した屠岸賈と到満は、大業が趙朔の遺児であるという疑いを濃くした。一方、大業が書いた何十もの竹簡を持ち帰った荘姫は、それらを調べるうちに「大業」が趙氏の始祖の名であることを知る。なぜ程嬰は自分の子にその名を付けたのか。奇妙な符合に胸騒ぎを覚える荘姫だった。間もなく、 […]
晋国に滞在している秦国の使者 離楼が、程嬰に屠岸賈の暗殺を持ちかけた。景公からの依頼だという。成功したら、趙朔の濡れ衣を晴らすという条件だ。一方、父親に失望して家を飛び出した大業は、ある宿屋で盲目の講釈師と出くわす。その老人が客の前で話し始めたのは、禁令にふれる趙朔の物語だった。 […]
大業は趙朔の屋敷跡地で偶然出会った荘姫から、19年前の趙氏にまつわる事件と程嬰の赤子殺しについて聞かされる。急ぎ屠岸賈に会って真偽を確かめると、その答えは無言の肯定だった。自分と無姜に仁愛や清い心を叩き込んでくれていた父親の過去の所業に大きな衝撃を受け、程嬰本人にその怒りと失望を […]
楚国から程嬰を頼ってやって来た石言の娘 湘霊。大業は彼女とともに趙氏の系譜や功績を調べ始め、趙朔にまで到達する。程嬰が19年間、大業の耳に入れぬよう心を砕いてきた忌まわしい事件について知るのも時間の問題だ。あれ以来、正気を失っていた宋香は、劇薬での治療によってようやく完治するが、 […]
戦に出たいと直訴する大業を拒んだうえ、韓厥は程嬰を侮辱する雑言を吐いた。憤慨した大業は、韓厥に剣を向けて逆に負傷してしまう。「趙家の仇」と罵られるような過去があったのか程嬰に問いただすとはぐらかされ、隠し事があることを確信するのだった。そんな時、屠岸賈が大業を呼びつけた。怪我した […]
大業の出征を阻みたい程嬰は、無姜を案ずる到満に相談を持ちかけた。そして、韓厥以外の者に主将を交代させる策を伝える。それに乗った到満は景公に拝謁し、屠岸賈に恨みを持つ韓厥のもとでは無姜が殺されるやもしれず、そうなれば晋に内乱が起きかねないと示唆する。だが参内した屠岸賈は、韓厥の交代 […]
名韜率いる秦国20万の兵が国境に迫っていた。19年前の大敗以来、名韜の戦法を研究し尽くしていた韓厥に、景公は虎符を授ける。大業と無姜は共に初めての戦に出ることを熱望するが、2人の父親は韓厥にとって不倶戴天の仇。そして、戦という名目がある以上、韓厥が密かに2人を殺すことも可能だ。屠 […]
血で赤く染まっていた井戸水は、郤克の自害とともに元に戻った。巫師のお告げは正しかったと民が歓喜に沸くなか、程嬰だけは地団駄を踏んでいた。すべては政敵を葬るために屠岸賈が仕組んだ茶番なのだと----。更に月日が過ぎ、忌まわしい趙一族皆殺し事件から19年。屠岸無姜とともに逞しく成長し […]
5歳になる大業がまだ喋れないことが、程嬰夫婦の目下の悩みだ。大業を馬鹿にした到満に、程嬰は思わず手を上げてしまった。同情した屠岸賈は、晋にやって来ている秦国の名医 医緩の診察を勧める。程嬰が趙武を殺めた話は諸国に広まっており、趙朔は医緩の恩人でもあったが、子供に罪はないと治療を承 […]
程嬰が屠岸邸に滞在し始めると同時に、到満が屠岸賈に詫びを入れて戻って来た。罰として厨房係に回されたのを幸いと、到満は早速、程嬰に毒入りの汁物を飲ませようと画策するが、その企みはあっさり露呈し、厨房で働かせるのは危険との判断から、結局は以前同様、屠岸賈の側近に返り咲く。だが、程嬰へ […]
荘姫の前に姿を見せた程嬰は、自らの命と引き換えに妻子の釈放を懇願した。そして、自分の死後は大業を楚国の石言に預けてほしいと。怒りを露にする荘姫だったが、彼女の弱点を知っていた程嬰は自らを傷つけることで妻子の監禁場所を聞き出し、屠岸賈に2人の救出を委ねることに。一方、行方不明になっ […]