離楼が放った追っ手は、程嬰の首の代わりに宋香と赤子をさらって荘姫のもとへ運んだ。それを知った程嬰は都へと戻ることにし、その後の生活は屠岸賈を頼る覚悟をした。妻子を危険から遠ざけ、なにより無事に趙武を育てねばならない。程嬰と別れた石言は、楚に帰国する前に晋軍の野営地へと赴き韓厥を説 […]
独断で荘姫を訪ねたことが屠岸賈の逆鱗に触れ、叱責された到満は、反論したのちに屠岸邸を出て行ってしまう。一方荘姫は、夫と息子を死に追いやった弟の景公を窮地に陥れたいがために、秦国の使者 離楼と密かに逢っていた。晋軍の情報を求める離楼に対して、荘姫はある交換条件を出す。それは、憎き程 […]
復讐に燃える荘姫から家族を守るため、石言と共に楚国へ移住することを決意した程嬰は、趙朔の右腕だった韓厥に「六韜」を贈る。秦軍の主将 名韜が好んだ兵法書だ。晋を負けさせたくない一心で手渡したものだったが、程嬰を裏切り者と信じてやまない韓厥は、そこに落とし穴があると勘ぐった。その頃、 […]
風邪を患った景公を往診するよう命が下り、自らの運命を悟った程嬰は、怪我のため静養している石言に妻子を託し参内した。宮中で待ち構えていたのは韓厥だ。大祭師のお告げに従い、趙朔の怨霊を鎮めるために程嬰を煮立った油に投げ込む儀式を行うという。公孫杵臼を裏切って趙武を殺した程嬰を恨む韓厥 […]
毎夜、趙朔の悪夢にうなされる景公のために、占い師が呼ばれることになった。荘姫は、長年面倒を見ている大祭師が弟の夢解きをすると聞き、それに乗じて息子を死なせた程嬰に復讐しようと思いつく。その頃、程嬰の家に刺客が襲来した。狙いは自分の命だと腹をくくった程嬰は、石言に真実を耳打ちして、 […]
楚国の石言が晋にやってきた。趙一族を粛清し実質的な最高実力者となった屠岸賈に、楚王からの忠告を伝えるためだ。それは、謀反を促すものだった。楚が仕掛ける戦に勝利した後、凱旋の勢いに乗じて景公を追放せよと。一方、程嬰は、趙朔の遺児を殺して自らの子を守った不忠者と、民からそしりを受ける […]
程嬰と公孫杵臼は、捨て身の策を実行する。趙朔の霊位を祭った森の片隅で公孫が赤子を抱いて待っていると、兵たちの足音が迫った。趙武の居場所を密告した程嬰を罵りながら、抵抗する公孫。だが多勢に無勢、間もなく勝負はついた…。ようやく趙武を手に入れた屠岸賈は民の前に程嬰を引き出し、その行動 […]
趙武を亡き者にして後顧の憂いを絶ちたい屠岸賈の指揮で、都中の赤子が殺されようとしていた。将来王位を狙う自分の息子にとって、趙武は邪魔者であり大きな脅威だからだ。程嬰と公孫杵臼は、この悲劇を打破する策を考えあぐねていた。公孫は身代わりになる赤子を探すが、我が子を売る親はいない。最初 […]
自らの息子 程大業と趙朔の遺児 趙武を連れて、公孫杵臼とともに韓厥の屋敷に逃げ込んだ程嬰夫妻。ところが趙朔の親友だったはずの韓厥は、関わり合いを拒否する。謀反の疑いをかけられて以来、軍功を積むことで少しずつ名誉を取り戻しつつあるのに、趙武を匿えば一族皆殺しになりかねないと。そして […]
屠岸賈は景公に、趙朔の子 趙武が将来、その命を狙うだろうと予言した。愛する姉の子でもある趙武を庇護するのが、趙朔を殺したせめてもの罪滅ぼしだと考えていた景公は、屠岸賈の言葉に恐怖し、またもや翻意する。そして、後宮で休養していた何も知らない荘姫から趙武を引き離し、連れ出す。一方、趙 […]
景公の望みを叶えるため、屠岸賈は産気づいた自らの妻を残し、趙朔を訪ねて進言した。趙朔の死を目撃すれば荘姫は正気を失い、お腹の子にも障るだろう、ゆえに荘姫をすぐに参内させ宮中で出産させよと。将来、自分の好敵手になる遺児を失いたくないという。尋常でない事態に戦々恐々としていた韓厥と程 […]
屠岸賈暗殺を諦めた公孫杵臼は、生まれてくる程嬰夫婦の赤子のために揺り籠を作っていた。それを見て程嬰は、自分たち夫婦の犠牲になった公孫の妻に思いを馳せ、次の子が男児であれば公孫に譲り渡すと約束する。その頃、屠岸賈は景公を邸宅に招いていた。楚国と趙朔が秘密裏に約定を結んでいるという密 […]
虎符を返上した趙朔は兵権を失ったが、なおも義弟である景公を信じていた。業を煮やした公孫杵臼は屠岸賈の邸宅へ続く地下道を、暗殺目的で掘り進める。それを知った趙朔はすぐに中止し埋めるよう命じるも、公孫は聞く耳を持たない。程嬰はそんな公孫の目を覚まさせようとしていた。屠岸賈は地下道の存 […]
趙朔は罪人として帰国することになった。先に帰還した程嬰は、夫の命乞いをするため宮廷へと向かう荘姫を引き止め、ある提言をする。それは、景公の前で夫を罵り、降格と左遷を願い出るというものだ。それこそが趙朔の存在を脅威とする景公の心を鎮め、趙朔を命の危険から遠ざける唯一の策だった。だが […]
楚の将軍が石言であることを知って、程嬰は公孫杵臼と楚軍の野営地まで馬車を走らせた。かつての戦で命を救ってくれた程嬰との再会を心から喜んだ石言だったが、その恩人の頼みは、敵である晋へ兵糧を提供することだった。一方、独断で兵糧を放出した趙朔を死罪にすべく、景公は戦場へ勅使を遣わした。 […]
屠岸夫人への往診の際、飢饉発生を知らせる上奏書を発見した程嬰は、屠岸賈の策略に気づいた。出征した趙朔を陥れるために、地方の緊急事態を伏せたまま、お救い米を兵糧として軍に持たせたのだ。楚へと向かう晋軍は飢饉に苦しむ地域に足を踏み入れ、そこで飢えた民の声を聞くであろう。慈悲深い趙朔が […]
秦国から打診された共同戦線の是非をあらゆる可能性から検討したのち、趙朔と韓厥はこの提案に賛同した。楚の属国である鄭をも巻き込み、晋と秦の二国で楚を落とす巧妙な策である。趙朔が元帥、謹慎していた韓厥が副将、屠岸賈は兵糧の輸送を命じられた。他国との協調と平和を望む荘姫は出征に反対する […]
刺客たちに嘘の自白を強要したという濡れ衣と、韓厥が軍を統率する要職にありながら無断で姿を消したことによって、趙朔の立場はますます危うくなっていた。程嬰に呼び戻され、ようやく帰還した趙朔は、身に覚えのない数々の証拠を突きつけられ戸惑うばかり。そんな韓厥に景公は打ち首を命ずるが、それ […]
側近 到満を誘拐し、屠岸賈に暗殺未遂の実行犯3人を差し出させた公孫杵臼の策は成功したかに思えた。刺客たちは約束の報酬を受け取っていないことから恨みを抱いており、屠岸賈が黒幕であることをあっさり白状する。あとは景公の前で証言させるだけだが、何かがおかしいと感じていた程嬰は、その違和 […]
景公は暗殺未遂の一件以来、不眠に悩んでいた。御典医もお手上げと聞いた荘姫は、程嬰に往診を依頼する。大切な姉の推薦とあっては町医者とはいえ追い返すわけにもいかず、景公はしぶしぶ診察を受けることに。襲われた場所で治療するという程嬰の言葉を訝しく思いながらも練兵場に着くと、程嬰は刺客が […]