杏子林を逃れた段誉(だん・よ)と王語嫣(おう・ごえん)は、雨のせいで濡れた着物を乾かそうと、とある染物小屋へと立ち寄った。しかし、2人はあえなく西夏の追っ手に見つかってしまう。毒のせいで思うように動けない王語嫣の指示に従って、"凌波微歩"を駆使しながら点穴を施 […]
智光(ちこう)大師の口から語られる30年前の出来事。喬峯(きょう・ほう)には、それが事実だなどと、到底信じることができなかった。"頭(かしら)"に率いられた江湖の使い手たちによって命を奪われた契丹人の夫婦――その遺児が自分なのだという。「俺は漢人だ、契丹人じゃ […]
杏子林に全冠清(ぜん・かんせい)が現れた。待機せよとの喬峯(きょう・ほう)の命令を破った上に、弟子たちを引き連れて不敵な態度を見せる全冠清。姿のない白世鏡(はく・せいきょう)の安否も気にかかる。四長老の敵意を秘めたかのような物言いにも不信感を募らせていた喬峯は、ひょっとして彼らが […]
段誉(だん・よ)と王語嫣(おう・ごえん)のもとに、李青蘿(り・せいら)が阿朱(あしゅ)と阿碧(あへき)の手脚を切り落とすように命じたという知らせが。王語嫣は2人を許してあげてほしいと母の説得を試みるが、李青蘿は聞く耳を持たないばかりか、彼女たちの主人である慕容復(ぼよう・ふく)を […]
康敏(こう・びん)は全冠清(ぜん・かんせい)に恩を売り、自分の味方に引き入れた。そして、ありもしない喬峯(きょう・ほう)の悪事を語って聞かせ、すっかり彼を信じ込ませることにも成功する。その日から全冠清はあからさまに幇主を批判、長老たちの中にも若い喬峯の実力を疑問視する声が上がり始 […]
毒に苦しむ段誉(だん・よ)に僧たちが内力を注いで治療を行っていると、それを制する声が。枯栄(こえい)大師である。天龍寺に届いた手紙によれば、吐蕃から大輪明王・鳩摩智(くまち)がやって来るのだという。彼の狙いは"六脈神剣"。段家に伝わる武芸の最高峰で、その剣経は […]
陰陽和合散に侵され、荒い息を吐いて身悶える木婉清(ぼく・えんせい)。段誉(だん・よ)の血を飲ませても、苦しみを凌げるのは僅かな時間に過ぎないようだ。2人が閉じ込められている石屋の前では、"悪貫満盈"段延慶(だん・えんけい)と拈花寺の黄眉(こうび)大師が囲碁の勝 […]
若き妻・康敏(こう・びん)の不貞――その相手が兄弟分である白世鏡(はく・せいきょう)だったことが、馬大元(ば・たいげん)の怒りを一層激しいものにした。長老とはいえ、丐幇の掟を破った白世鏡が破門となるのは必定。馬大元は妻に出家しろと言い放つが、彼女は逆に「黙って見逃してくれるなら手 […]
段誉(だん・よ)は母・刀白鳳(とう・はくほう)と木婉清(ぼく・えんせい)を連れ、大理へと戻った。父・段正淳(だん・せいじゅん)に木婉清を妻だと紹介する段誉。4人が大理皇帝・段正明(だん・せいめい)と謁見していると、段誉を呼ぶ声が。"南海海鰐"岳老三(がく・ろう […]
誘拐された娘を救うべく、李青蘿(り・せいら)は甥の慕容復(ぼよう・ふく)と共に賊の船を急襲。2人は船に仕掛けられた火薬が爆発する寸前に、王語嫣(おう・ごえん)を救出することに成功する。恋い慕う慕容復が命懸けで助けてくれたことに、王語嫣は自身への想いを感じ取り、喜びをかみしめるのだ […]
白世鏡(はく・せいきょう)をかばい、毒に侵されてしまった喬峯(きょう・ほう)。毒の種類は分からないが、もたもたしていては命がないと見た玄悲(げんひ)大師は、自らの内功を失う危険を承知で易筋経を用い、喬峯の命を救う。「明日の泰山大会に備え英気を養ってください」と告げた玄悲に、喬峯は […]
父のような存在であった汪剣通(おう・けんつう)を失い、喬峯(きょう・ほう)は打ちひしがれていた。馬大元(ば・たいげん)の妻・康敏(こう・びん)はそんな彼に同情する素振りで秋波を送るが、取りつく島もない。そんななか彼女は、隠すようにしまわれていた一通の手紙を発見する。それは汪剣通が […]
「お前を丐幇の新幇主とする」。自らの死が迫りつつあることを悟った汪剣通(おう・けんつう)は、喬峯(きょう・ほう)を後継者に指名した。一度は辞退した喬峯だったが、やがて心を決める。幇主の証しである打狗棒を譲り受けると、丐幇の仲間と生死を共にすること、そして丐幇を天下一の幇会にするこ […]
宋の国土を守ろうと、遼と西夏の連合軍に立ち向かう丐幇の一団。激戦の最中、丐幇幇主・汪剣通(おう・けんつう)は燕龍淵(えん・りゅうえん)の策略にかかり、囚われの身となってしまう。にらみ合う燕龍淵と丐幇の面々――そこに遼の指揮官・耶律(やりつ)将軍を引き連れた喬峯(きょう・ほう)が。 […]