騎馬隊の列の前に飛び出したカク沁(しん)――間一髪のところで彼女を救ったのはシレムンだった。カク沁の兄で高名な儒学者・カク経(けい)は今、牢の中だという。頼る者のいない彼女は、兄を助けてほしいとフビライに直談判するつもりだったのだ。話を聞いていた劉秉忠(りゅう・へいちゅう)…。
かつて初恋を叶えて結婚したものの、貧乏生活に愛想を尽かされて彼女から離婚された過去を持つズーハオ。以来金だけに生きると誓った彼がその傷を乗り越え、シャオトンを愛せるようになったと喜んだのもつかの間。婚約式を急遽結婚式に振り替えたシャオトンとズーハオの前に、衝撃の悲報が!さらにズー […]
チャブイが無事出産したとの知らせを受けて、彼女の両親がケイ州王府へ。2人は孫の誕生を喜ぶが、モンケの妻・イェスタイが、フビライは側室を迎えるべきだと水を差し、チャブイの母と口論になってしまう。そんななかグユクのもとに、キプチャクの領袖であるバトゥから、朝貢をやめるとの通達が…。
祖父の反対にもめげずシャオトンは勝手にズーハオとの婚約を決めてしまう。ズーハオのこれまでの計画を知るユーエンはそれを聞いて心配する。だが、実はズーハオは人を疑うことを知らないピュアなシャオトンの姿に感動し、本気で彼女を愛し始めていた。一方、チョウ社長の妨害はとどまるところを知らず […]
「私もグユク王子を大ハンに推挙します」。フビライの言葉に、誰もが息を飲んだ。賛辞や罵声、そして彼の真意を問う声が巻き起こり、騒然とする会議場。しかし、トルイ家の主たるベキまでもがグユクを大ハンに推薦し、衆議は決した。新たなる大ハンの誕生――その陰で、モンケは弟・フビライへの怒りを […]
シャオトンはズーハオから衝撃的な過去を聞かされるが、彼女は彼がすべてを包み隠さず告白してくれたことをむしろ喜ぶ。そしてシャオトンは、自分の祖父でズーハオが勤める金鮮食品のトップ・チョウ社長にズーハオを紹介することにする。だが既にズーハオの過去を調査していた社長は、2人の交際に断固 […]
ガイミシュは監国からの指示だと偽り、フチに堕胎薬を調合させた。しかし、本当の狙いは我が子――グユクとの子だった。意を決して薬を飲もうとした時、グユクが。問い質され、苦しい胸の内をぶちまけるガイミシュ。辛辣な言葉でこれまでの行いを非難されたグユクだったが、意外にも「私が悪かった」と […]
すっかりズーハオの虜になったシャオトンが、突然、ズーハオの家にやってきた。同居人がいたのでビックリするが、それは、ズーハオと養護施設でともに育った親友ユーエンだった。その夜、ズーハオはユーエンに、シャオトンに近づき彼女のハートを掴んだのは、すべて自分が仕組んだ罠だということを打ち […]
監国である母からも、そして妻・ガイミシュからも諌められ、グユクはやり場のない怒りをくすぶらせていた。なおも「親子で反目しないで」と言い立てるガイミシュ。グユクにできることといえば、そんな妻を罵ることぐらいだった。そんななかトレゲネは、スブタイ将軍のもとを訪ねる。彼女の狙いは…。
両親の命日に墓参りに行ったシャオトンは、そこで偶然にズーハオと再会する。そのとき、シャオトンの友達からパーティの件で電話があり、シャオトンはズーハオをパーティに連れていくことに。だが、そこで展開するお金持ちたちの馬鹿騒ぎに愛想を尽かしたズーハオは、シャオトンの友達が見ている前でわ […]
無邪気に相撲を取る2人の孫の姿に、目を細めるトレゲネ。しかし、抜け目のない彼女は、どちらが大成するかを見極めていた。勝つことに執着し、知恵を働かせるハイドゥを有望と見たトレゲネは、フチを教育係に任命する。一方、耶律楚材(やりつ・そざい)は、 "秘密の遺言"を守 […]
1241年、トレゲネはあらゆる手を尽くし、政権を奪い取った。オゴデイ家との権力闘争を避けることができ、ベキをはじめトルイ家の兄弟たちは、ひと時の平穏にほっと胸をなでおろす。しかし、監国となったトレゲネは、いずれ我が子・グユクを大ハンの座に就かせるべく、邪魔者であるトルイ家を潰す決 […]
オゴデイ、死す。大ハン崩御の報は、密偵を通じてグユクたちのもとにもたらされた。皇后・トレゲネ討伐のために行軍中であったグユクは、すぐさま帰営を決断。トレゲネの動きを警戒したフビライは、単身カラコルムへと向かうのだった。同じ頃、父を失ったグユクは、母への不満を爆発させ…。
フビライのもとに皇后からの書状が。それを一読するやフビライは顔色を変え、モンケの軍営へと駆けつける。彼がにらんだ通り、モンケは彼らの母・ベキをグユクに嫁がせようとしているトレゲネのやり口に激怒し、挙兵しようとしていた。挙兵すべきか否か――。モンケたち兄弟の意見は真っ二つに分かれ… […]
漢人が多く住む土地に適した政策を推し進めるフビライの方針が功を奏し、ケイ州の統治は順調に進んでいた。しかし皇后・トレゲネは、モンゴルの伝統とは異なるやり方を批判。フビライも一歩も引かずに応じ、2人は激しく火花を散らす。その一方で、皇后は手下たちを操って情報を集め、策を講じていた… […]
盗賊たちを倒したフビライは、いよいよケイ州の統治へと乗り出すことに。劉秉忠(りゅう・へいちゅう)の助言に従い、農耕の改革を最優先事項に掲げるフビライ。そして、汚職の一掃を急務と考えた彼は、汚職役人を一斉に解任する。トレゲネの息がかかった徴税吏・アラムダルは、それに反発し…。
フビライと子聡(しそう)――劉秉忠(りゅう・へいちゅう)が辿り着いた李家村には、惨憺たる光景が広がっていた。ひと気のない、見るからに困窮を極めている村の中には、何者かに襲われて命を落とし、葬られることもないままにさらされた遺体がある。ようやく見つけた村人から話を聞いた2人は、災厄 […]
トレゲネの言葉は、ベキとフビライの殺害を暗示していた。邪魔者を消し、息子・グユクをハン位に就けようという魂胆である。躊躇するグユクに、トレゲネはある指示を与えるのだった。翌日、皇宮の庭では、ささやかな酒宴が催されていた。そして、城壁の上には、弓を手にその様子を眺める男の姿が…。
「お前がトルイの死に関わっているという噂を聞いた」――大ハンは皇后を問い質す。トルイが飲んだ"汚れた水"とは? なぜトルイの薬が町から消えたのか? いくつもの疑惑に対し、トレゲネは貞淑な妻としての顔を崩すことなく答えを返すのだった。一方、ベキはトルイの死が悲劇 […]
毒を盛ったトルイの容体はどうなっているのか――詳しい情報が得られず業を煮やしたトレゲネは、見舞いと称して自らトルイのもとを訪れる。しかし、彼の長男・モンケに門前払いをくわされてしまうのだった。未だ毒が抜けきっていないはずのトルイにとどめを刺すため、フチが取った秘策とは…。